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~美術品等取得基金を活用した初の購入作品を公開~
横須賀美術館 令和4年度第1期所蔵品展

「新収蔵記念:生誕150年 矢崎千代二展」の開催について

矢崎千代二《秋の園》
1900年、当館蔵

令和元年度より、横須賀美術館のコレクションを充実させるための「美術品等取得基金」が 開設されました。令和3年度は、その第一弾として、ふるさと納税などを通じたご寄附により、横須賀市出身の画家で、日本におけるパステル画の普及に尽力した矢崎千代二(1872-1947)の初期油彩画の代表作、《秋の園》(1900年)を新たに購入いたしました。
矢崎千代二は、画業の初期は油彩画を学び、東京美術学校(現・東京藝術大学)では、当時 最先端だった外光派の画風を黒田清輝から指導を受けました。1918年頃にパステル画に本格的に転向するまで、多くの油彩画を制作しましたが、現存するものは少なく、《秋の園》は近年発見された貴重な作品です。
また、戸外の自然光を意識した明るい光と色彩による画面は、当時、黒田が指導した外光派の特徴をよく示しており、矢崎が高いレベルでこの画風を習得していることがうかがえます。
現在、横須賀美術館では、矢崎作品107点を所蔵しており、日本一の所蔵数を誇ります。今回、貴重な初期油彩画の代表作である《秋の園》を所蔵品に加えることで、コレクションに厚みが 増し、より充実したものとなりました。  
本展は、この新収蔵品《秋の園》の新収蔵を記念し展示するとともに、生誕150年を迎えた矢崎の初期から晩年までの優品約30点を一堂に展示いたします。矢崎が日本のみならず世界中を旅して描いた作品の数々をご覧ください。  
購入にあたり、多大なご寄附を賜りました皆様の温かいご支援にあらためて心より御礼申し上げます。今後とも、横須賀美術館のコレクションの充実のため、皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

矢崎千代二展 詳細