コレクション
阿部金剛
「風景」

1933年 油彩・画布 46.0×38.0cm
阿部金剛はフランスから帰国して間もない、1929年の第16回二科展に出品し初入選します。その作風は、かの地で注目を集めはじめた「超現実主義的」な傾向であると評されました。それから4年後に描かれたこの作品は、阿部金剛の現存する数少ない戦前の油彩画の1点です。
窓がない無機的な建物、古代遺跡を思わせる建築物、その後ろに広がる水平線、そしてぼんやりと明るい空が描かれています。この作品は、当時日本で流行していたタッチ(筆触)の荒いフォーヴィスムとは異なり、絵肌はなめらかです。単純化した明快な構図や、平らな画面は、どこか現実から離れた風景を思わせます。
窓がない無機的な建物、古代遺跡を思わせる建築物、その後ろに広がる水平線、そしてぼんやりと明るい空が描かれています。この作品は、当時日本で流行していたタッチ(筆触)の荒いフォーヴィスムとは異なり、絵肌はなめらかです。単純化した明快な構図や、平らな画面は、どこか現実から離れた風景を思わせます。
阿部金剛 1900-1968
1900年 | 岩手県に生まれる。 |
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1926年 | 渡仏、アカデミー・ランソン、アカデミー・ジュリアンで学ぶ。 |
1927年 | 帰国。 |
1929年 | 第16回二科展に初入選し、超現実主義的画風で注目される。 |
1930年 | 『シュールレアリスム絵画論』を出版。 |
1933年 | アヴァンガルド絵画研究所の開設に参加。 |
1960年 | 日本を離れ、メキシコ、アメリカに滞在。 |
1967年 | 帰国。 |
1968年 | 東京で死去。 |