美術館について

美術館評価制度

横須賀美術館評価委員会(平成24年度第2回)

日時:平成24年10月11日(木)午後2時00分~午後4時00分
場所:横須賀美術館 会議室

1 出席者
     委員会 委員長    小林 照夫    関東学院大学名誉教授
         副委員長   菊池 匡文    横須賀商工会議所事務局長
         委員     黒岩 弘明    横須賀市立北下浦小学校校長
         委員     小島 江美    市民委員
         委員     原田 美穂子   市民委員

     事務局 館長・教育委員会教育総務部長  渡邊 大雄
         美術館運営課長         佐々木 暢行
         美術館運営課管理運営係長    三堀 明枝
         美術館運営課(広報係)     遠藤 創太郎
         美術館運営課(学芸員)     沓沢 耕介
         美術館運営課(学芸員)     古屋 梨奈

(冒頭)
[事務局・佐々木課長]
定刻となりましたので、平成24年度第2回横須賀美術館評価委員会を開会いたします。開会にあたりまして、横須賀美術館館長事務取扱、教育総務部長がご挨拶申し上げます。

[事務局・渡辺部長]
ただいまご紹介頂きました教育総務部長渡辺でございます。本日はお忙しい中、平成24年度第2回横須賀美術館評価委員会にご出席頂きましてありがとうございます。まず初めに、今年のこの美術館の状況ですが、9月末現在で観覧者数が約5万人です。これは、昨年の同時期と比べて3千人ほど上回っております。理由としては、夏休みに実施いたしましたピカソあるいはゴーギャンなど著名な作家の作品を展示したストラスブール美術館展、それから同時開催のさわって遊べる子供向けの企画「ニョロの森」、この二つが大変好調だったために、昨年に比べて3千人増という結果が出たと思われます。今後につきましても、なお一層職員一同気を引き締めまして、現在の好調を維持したいと思っております。さて、本日お集まり頂きました評価委員会の議題ですが、平成24年度の各事業の目標設定ということでございます。事前に資料をお送りいたしましたが、目標を設定するにあたりまして、これまでの各委員の皆様から頂戴した意見を加味して設定しております。しかし、必ずしも適正に反映していないところもあるかと思いますので、その辺を含めまして、今日はぜひ忌憚のないご意見を頂戴したいと思っております。よろしくお願いいたします。

[事務局・佐々木課長]
本日は傍聴の方が、2名いらしております。それでは委員長、議事の進行をよろしくお願いいたします。

[小林委員長]
議事としましては、平成24年度事業計画書についてということになっておりますので、事務局からご説明頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

[事務局・佐々木課長]
それでは資料①をご覧頂きたいと思います。こちらは、今年度の事業計画書となります。これまでの評価報告書の形式を遵守いたしまして、前段の部分に事業計画を盛り込みまして、後段に事業計画が達成目標・実施目標というものを配しております。前回7月の評価委員会のご意見を参考にさせていただいた目標設定となっております。では、順次担当者がご説明させて頂きます。

=資料を読み上げ=

(質疑応答)
[黒岩委員]達成目標の数値設定についてお伺いしたいと思います。例えば2ページ目の年間観覧者数を10万3千人に設定しているのですけれども、この根拠が今までの平均値が10万2,585人であるから、だいたい平均でいくと10万3千人であろう、という捉え方なのですが、数値目標っていうのはどう捉えるとよいものなのでしょうか?向上目標という風に捉えるべきなのか、平均値を達成すればよいという風に捉えるべきなのか、ということですね。確かに、10万というのが人口や規模から見た一つの基準のラインであるとした時に、そこからどれだけ毎年、よりよい、より興味を持ってもらえる、より満足してもらえる、よりたくさんの方に来て欲しい、というように、少しずつでも向上させていくのが目標の数値なのかと私は考えます。平成23年度が10万8,985人という実績が残っていますね。そうすると、そこから少しでも今年度戦略的に組む中で、例えば11万人位まで上げたい、というようにある程度向上目標として捉えていくのか、平均的な基準を達成すればよいと捉えるのか、ということなのです。去年は1年間の稼動で10万8千人だったので、今年はラルク展と年度末のイベントの2ヶ月間の稼動期間がないから、その分を落として10万5千人とか10万3千人とかを目標数値にするのであれば、意味はわかるのだけれども、平均値を達成目標にしているというのは、目標の立て方としてどうなのでしょうか?

[小林委員長]いかがでしょうか?

[事務局・佐々木課長]的確なご質問頂きありがとうございます。大前提としましては、この施設のポテンシャルとして10万人という数値設定があるということです。それは、美術館の基本計画の段階で考えたところでまずは10万人というところで設定されています。一方で、集客と言いますか、年間観覧者数というのは、間違いなく展覧会の内容に拠るものだろうと考えています。その展覧会の内容をつぶさに見ていった中での数値をもし出すとすれば、その年度によってばらつきがあるかな、と考えています。ただその数値を正確に出しうるか、と言いますとなかなか難しいものとなっております。10万人はこれまでも目標としてまいりましたが、ゆくゆくは、運営の見直し等を考えますと、11万人、一挙に12万人というところまではまだまだ先だと思いますが、集客をも重視していかなければならないという考え方の中で、今年度は近年の観覧者数から平均値をあえて目標数値として設定したところであります。昨年度が10万8千人でしたので、これを超える数値を、という考え方もありますが、今年度の企画展の内容を鑑みますとそれは難しいと考えます。とはいえ、その数値を積んだ予算のままでいくというのは、目標値としてはあまりにも低いかと思います。我々にとって、少し手が届かないくらいの目標として、その数値に向かって努力していくため3ヵ年の平均値といたしたところでございます。こうした目標数値の設定を今後も毎年続けていくということが決まっているわけではありませんので、本来は黒岩委員がおっしゃっているような設定の仕方がよいのではないかと考えています。

[小林委員長]いかがですか?

[黒岩委員]23年度を評価する中で、23年度の数値が翌年度を評価するための一つの基盤となると、私などは考えていました。例えば、昨年度の企画展の内容を見た時に、「おもしろ動物展」だとか「トリック&ユーモア」展だとか、割合10代あたりにターゲットを置き、しかも夏休みを入れて7月からの期間に子供達や保護者が興味を持って来てくれるものだったわけです。今年は「ストラスブール美術館展」などが入っているのだと思うのですが、10代の若い世代が美術館に来られるような企画展も構想段階で入れることによって、来年度数値を達成できるように、少しずつでも高い目標設定をすることも可能なのではないか、と思いましたので、ご質問させて頂きました。

[事務局・佐々木課長]おっしゃる通りだと思います。先ほども申し上げましたが、将来的には集客についても重視していく中で、どういう形で観覧者数を増やしていくことができるか、あるいは観覧者数が増やせる企画展となっているか、など今後とも考えていき、それを上回る目標設定を考えていきたいと思います。

[黒岩委員]予算との兼ね合いもあると思いますが。予算と美術館のねらいとのバランスの中で、多くの方がいらっしゃる企画展をメインとして打って頂けるとありがたいかな、と思いました。以上です。

[小林委員長]このことに関連いたしまして、何かご意見ございますか?平成23年度は10万8,985人と約9千人の22年度より増えた、約11分の1増える、というのは大変な増加ですよね。その増加できた要因というものを踏まえながら、24年度ももう少し昨年度の数値を踏まえた目標設定をするのはいかがだろうか、というご指摘だろうと思います。
この辺りについていかがですか?10万3千人ではなくて、もう少し目標数値を高くしてみてはどうか、などご意見ございますか?ものすごく美術館側としては努力しているのだと思いますが。

[菊地副委員長]黒岩委員がおっしゃった通りだと思います。基本的に、運営的な視点と経営的な視点があると思うのですが、どうしても運営的な視点のほうにかなりウェイトが置かれていて、観覧者数というのは極めて運営面からの数字です。一方、経営的な視点からすると、有料観覧者数が何人かということが重要であり、両方の視点を別々にではなく、両輪として考えていかなければならない部分があると思います。こうした部分については、全体的な感想としてあります。それから、佐々木課長がおっしゃいましたが、今年度を半年過ぎまして、今事業計画について話し合うというのは、それはそれで結果として仕方がないと思います。ただ、半年分は書かれている事業計画が実績化されているわけです。それを今そのまま計画としてここで示すというのは、我々はどう責任を持って半年間を見ればよいのか、という風に考えるわけです。どういうことかと言いますと、一年の計画として事業計画が示されているけれども、実質半年間が経過している中で、課題だとか、成果・実績も出ていることでしょう。そういったものが、この10月以降にどう反映されるものか、提示が遅れたにしても、経過した半年間をこれからの半年にどう活かしていくのか、そこに対しての計画性や意欲がどのように反映されているのか、が見えない部分があります。例えば、「年間に○回」と言っても9月までにこの○回のうちの何回がもうすでに終わっていてどういう実績か、ということは、我々はわからないけれども、実績としてはもう出てしまっているわけです。出ているにも関わらず、我々は一年間の計画として事業計画を評価委員として審議するというのは、責任としてどう考えるべきなのでしょうか。ただ、それを言ってもここでは審議しなければいけないので、これは感想として述べておきます。
いくつかありますが、まずはアメニティに関する部分があったと思います。13ページです。スタッフの対応満足度について、確か非常に一定化しているパーセンテージだということは、どこかに何か数値の取り方なのか、何かのいびつがあるという指摘をさせて頂いたのですけれども、その時に、確かアンケートに一項目だけであった、ということだと思うのですよ。だけれども、一項目の○×だけで数値化されるということは、こうした硬直化を生むわけだから、スタッフの対応のどこが悪いのか、もっと細分化してアンケートを取り直す、という話がなされたと思うのですが、現状はどうなっているのでしょうか?見直しはなされたのでしょうか?

[事務局・佐々木課長]
前回ご指摘頂きまして、どういう形でアンケートをとるか、議論をしたのですけれども、なかなか結論が出なかったのが現状でございます。申し訳ありません。今現在は、変えていない状態です。その間に、スタッフに色々とどういう項目をとるべきなのか、ヒアリングをしたり、あるいは、展示室を覗いてどういう状況なのかを見ているところでありまして、そういった中で、改善に向けていきたいと思っているところでございます。

[菊地副委員長]そうしないとおそらく、数値は変わりませんよね。20年度の数値はこれはもう言語道断であって、明らかに悪かったということでわかるのですけれど、他の年度の数値を見ると極めて硬直化していますよね。これはもう、たぶん参考にならない数字だな、と私自身は思いますので、できれば、さまざまな美術館、色々な性格があったり、地域性があったりするかもしれないのですけれども、他の美術館でこういったスタッフ対応に関してどういったアンケートのとり方をしているか、そういったものも研究されて、要するに内部の方々だけで判断すると、自分を判断することですから、やっぱり外部を見て、外部のきちっとした対応をされているところが、どういう形のアンケートを行っているのか、これは一般の方にも配られているので、見に行くだけでも研究はできると思います。ぜひそういう形のものを、精査してやって頂ければ、正確なスタッフ対応満足度が出てくるのではないかと思います。
それから、第一段階ということで、17ページの一番最後ですね。電力量、それはご説明があったので、こういう数値にするということで、よければ今年度仕方ないと思うのですが、前年度マイナス5%という設定の仕方、これは正直あまりよろしくないのかな、と思います。これをずっとやっていると、真っ暗になりますよ。だから、通常やるのは、昨年大震災が起きて、全国的に節電意識が高まったということであれば、その起こる前年、つまり2010年度比で今でもみんなやっていますよ。だから、そこを基準にどれだけ落とすかという、いわゆる定点的な比較に持っていった方がよいと思います。項目を変える必要はないですが、設定は見直した方がいいんじゃないのかと。それを基準に運営に差し支えない程度に、他に何か節電できるところがあるのであれば、どの程度に設定するのか、ということであります。と言うことで、たぶんこれは2010年度比で設定を変えられた方がいいのかな、という印象がありました。とりあえず今は、そこまでです。

[小林委員長]ありがとうございます。スタッフ対応満足度の件についてはね、やはりスタッフが人的な非常に大事な資源としてあって、それが大きな要因になっているのでね、これはただ案内がどうとかではなくて、少し美術館と連動させた形で、どういうサービスや何かができるのか、という一つやることによって、いわゆる美術館の特徴が、出てくるのかと思うので、菊地委員の指摘された点というのは大変重要な点だと思うし、またスタッフ側の問題であれば、自分たちの努力によって変わりうる要因を持っていますのでね、この辺を考えて、もし今年の計画目標としてはかなり難しいとすれば、25年度に向けてこの点を入れてみてはいかがでしょうか。そうすると、また随分美術館に足を運ぶ人たちの印象も違ってくると思いますのでね。

[事務局・佐々木課長]今の件につきまして、補足します。菊地委員のご指摘はごもっともで、なかなか手がつけられていなかったのは申し訳ないところですが、一つは他都市の美術館の中でも、例えば評判のいい、あるいは自分が見に行った時によかったところがあれば状況を把握したいなと思っています。それから、仮にこういうアンケートをやっているところがあるとすれば、そういう数値も参考にしながら、あるいは美術館とは違う施設も視野にいれながら、原因を確かめられるようにしたいと考えています。それから、電力量の件ですけれども、おっしゃる通りだと思いますので、ここは2010年に合わせていきたいと考えます。

[小島委員]美術館ウエディングの開催ですけれども、美術館でウエディングをなさる方への美術館ならではのサービスができたら、と考えました。ウエディング予約時のカップルの方のお写真をもとにお二人の似顔絵を渡したらいかがかと思いました。どぶ板通りに肖像画を請け負うお店があったと思うのですけれども、そういうところと連携をとってそういうサービスができたら、なんかすごくハートフルなサービスになるんじゃないのかな、と思いました。それから、ワークショップなのですが、ワークショップの催しは無料で参加できるようなのですが、市内のコミュニティセンターの催しでは参加にあたって材料費相当と思われる自己負担があります。ワークショップの催しも、有料化できるものは有料化してみたらいかがでしょうか。それから、今日来館したら、キャンディとかガム類が置いてあったのですけれども・・・

[小林委員長]何ページですか?皆さんがわかるように・・・

[小島委員]14ページです。付帯施設、レストラン及びミュージアムショップを来館者ニーズに合わせて運営するというところなのですが、今日来館したら、ミュージアムショップにキャンディとかガム類が置いてあって、お聞きしたら一ヶ月ほど前から置くようにしました、ということでした。しかし、ドリンク類の自動販売機は館外にあるということなので、ロッカーの近くにスペースがありましたので、そこに自動販売機を置けば、上の休憩室で飲むことができるのではないかと思いました。

[小林委員長]今、色々印象についてお話くださって、そういうことも入れ込みながら、目標に向かって議論させて頂ければと思います。原田委員はいかがですか?

[原田委員]広く認知され、多くの人にとって横須賀市を訪れる契機となる、ということですが、来館者数が数字で目標として出されているのですが、人が集まればいい美術展示か、というとそうでもないところもありますし、来た人が見て満足したものがいい美術展示か、というかわからないところが、この評価の難しいところだと思います。皆さんが好きだったり、いいと思わなかったりするものを、広報したり普及したりというのが美術館の活動の意義でもあったりすると思います。その関連の部分がこの評価だと見えてこない、というのが難しいところだと感じます。

[小島委員] 前回の評価委員会の会議をワークショップ室を利用して行ったのですが、景観がよかったので、ワークショップ室も利用していない時、一般へ会議室としての時間貸し利用を考えてみたらどうかと思いました。併設のレストランからのコーヒーの有料サービスも併せて検討してみてはどうかなと思いました。

[小林委員長] いろいろ具体的な形でご意見があるのかと思いますが、計画の基本的な部分をもう少しふりかえってみたいと思うのですが、例えば、市民ボランティアの協働事業への参加者数が、1400人ということになっていますが、4ページですね。例えば、これはいろいろな美術館の状況から見て、ボランティアの協働事業への参加というのは、横須賀というのは高いんですか?参加率というのはどうですか?いろいろな美術館で市民ボランティアの問題はありますよね?横須賀美術館の場合は、全体的にパーセンテージとか状況というのは他の美術館と比べて、厳密でなくてもいのですが、かなりこの点には力を入れているというか特徴のある数字なのでしょうか?1400人というのは。

[事務局・沓沢] 横須賀美術館のボランティア活動が他館と比べて、どうであるかというご質問についてですが、活動されている人数としては少ないと思います。と言いますのも、性格的に少し異なる部分があるかと思います。他館のボランティアさんの活動には、例えば、監視業務、当館では委託事業として行っているところをボランティアでやっていただいているようなところもあると思います。横須賀美術館のボランティア活動は、社会教育としての性格を持って、賃金を払わない業務委託というような考え方はしていません。ボランティアさん自身が企画したり、やりたいことをやるっていうことを、美術館としては助けてもらいながら、やりたいプロジェクトをサポートするという考え方をしています。そういう意味でやり方が違うというところはあるかと思います。目標1400人が多いか少ないかというところですが、これはちょっと比較の対象を持っていません。と言いますのも、ボランティアが企画するイベントというのが、あるかどうか。ボランティアさんが企画するイベントが、市民に受け入れられ、実際に来て楽しんでいただいているということを示すための数値になりますので、私の方としては、実績との比較しかできないのかなと思います。お答えになりますでしょうか?

[小林委員長] ボランティアさんというのは、実際に交通費を出すとかされているのですか?

[事務局・三堀]1回来ていただくと交通費相当額ということで580円をお支払いさせていただいています。

[小林委員長]私の家の近くの人でも横須賀美術館のボランティアをやられている方がいらっしゃって、楽しみにしているようで、周りには横須賀美術館のPRになっているような感じですので、ボランティアも経済的な負担があるようだから、なかなか美術館としては大変だろうけど、人生の生きがいもあるし、美術に対する関心は趣味としても質の高いもののようにも見えますので、このあたりの問題が全体の館の問題とうまく連動するなら、ある意味、横須賀美術館を支えてくれる、というか、実働として支えて下さるだけでなく、全体の広告塔にもなってくれるような状況も持っているのかなと思って、お尋ねしたわけです。福祉事業って、書いてありますよね。福祉活動の展開と書いてありますが、多くは福祉の対象を障害者向けワークショップ、障害者という1つの概念ですよね。最近は、福祉というのは、一般化した概念になっていると思うんですよ。例えば、私なんかそろそろ後期高齢者ですし、そういう意味では、福祉というものの捉え方がかなり違ってきて、高齢化した人も対象になるというのであれば、せっかくここに福祉活動の展開と書いてるのであれば、今回の事業目標ではないですが、美術館で言うところの福祉っていうのはどういうところに視点を当てて物を見ればいいか、もちろん障害者の人たちに対する問題というのは非常に重要なんですが、その辺の問題を1つ考えられると新しい方向での、いわゆる領域というものを拡大するのかなと思って、お尋ねしました。

[黒岩委員]関連していいですか。5ページの市民ボランティアの部分ですけれども、プロジェクトボランティアさんがいますよね、登録者は24年3月時点で19名なんですよね?数字の見方、23年度197回というのは、19名の方が、例えば均すと10回ずつ来ると190になるというような見方ですよね?そうすると、22年度91回から倍増していますよね?このへんの意識の高まりはどんなところにあると捉えていますか?

[事務局・沓沢]23年度は新規参加の募集チラシを作成したことがありました。

[黒岩委員]登録者自体が22年度は少なかったということですか?

[事務局・沓沢]最初参加して下さった方でも実際の活動に来られない方もいらっしゃいます。増えた減ったというよりも、新規に参加して活動に加わってくれた方が多かったように思います。

[黒岩委員]登録は毎年4月にやっているものですか?随時入れるものですか?

[事務局・沓沢]プロジェクトボランティアについては、随時募集しています。キャンペーン的に広報よこすかに掲載したり、チラシを作ったりということは22年度にした結果、23年度に活動する人が多かったということだと思います。

[黒岩委員]まだまだコマーシャルをしていけば、どんどん増えて、ボランティアとして美術館の運営に関わっていただける方が増えれば、意識も高まっていきますよね。上限はないんですか?

[事務局・沓沢]上限は設けていません。

[黒岩委員]もっと広げていけば、目標値も高まるということですね。ありがとうございます。

[小林委員長]他にいかがですか?

[菊池委員]次回に向けての感想としかならないんですが、こういった形で事業計画書が提出されたのは初めてですよね?評価がしやすくなったかどうかは別として、基本的には意見を言いやすくなった。それは1つ、進展だと思うんですけど。1つ1つのテーマごとにまとめられた計画、これはこれでいいと思うんですが、その前段として、スタッフの方々や皆さんが共有するような、24年度に美術館はどういう方針で、どういう形で運営するんだという総括的な前文があって、それを実現するために、こういうテーマのものをこういう風に設定したというストーリー立ては大事なことなのかなと思うんですよ。これだけ、個別テーマごとになると、セクションごとに分かれてしまうので、いきなり別々の事業ごとの目標が寄り集まったという感じだと共有感がないように思います。最初は、美術館運営はどういう方針で、どういうことをやって、みんなで頑張っていくんだという、何を実現していくんだということがあると、非常に関連性があります。全員そういう思いのもと、テーマを実現していこうというのがわかります。テーマ立てだけだと、委員のみなさまも24年度にどういう方向性で運営しようと思っているかということを共有できていない中で、事業計画を見ないといけないということだと思います。

[事務局・佐々木課長]ご指摘ありがとうございます。昨年度も事業計画を出したのですが、市役所側の予算の組み立てに基づいたもので、こういう事業をやります、だから、その内容を見て、やった結果がどうだったかというところだったんですけれど、その時に、評価が2回ありましたが、そもそも事業計画が評価に合わせていないと評価がしづらいだろうということで、こういう形で作り直しました。現在は個別の評価をしていますので、評価項目に沿った形で事業計画を作ったというところです。これは何に繋がるかというと、ミッションに繋がっています。ミッションに基づいてやっていく中で、どこに重きを置くか、どういう方向に力を入れるかというのは年度年度によって、状況によっても違うと思いますし、そこを意識したものを事前に示していくのが当然だと思います。次回は変えたいと思います。

[小林委員長]非常にいいご指摘だったと思います。ある意味で、23年度の評価というのは委員の方からあまり赤字、修正がないようにうまくまとまったというのは、委員の方の中で、評価書に対するコンセンサスを得てきたと思います。あとは、指摘された通り、計画書が早くできるように、あるいは、時間がある時に、2,3年先を見て、横須賀美術館はどんなふうに考えているのかというもの、そういうものを1回提示されていると、非常にわかると思うんです。今年はこうだけれど、来年、再来年はこんな風にやりたい、これはスタッフの願望でもいいですから、そういうものを一方では作りながら、他方では菊池副委員長からありました通り、全体的に今年は何を考えようかというものがあった方がいいと思いますね。これだけまとめるのも大変だと思うんですが、さらにいいものにするためにどうでしょう、いかがでしょう。

[小島委員]よろしいですか。17ページで、美術館は社会教育施設であり収益を上げるための施設ではありませんがと述べられていらっしゃいますが、横須賀美術館は公立の美術館ですが、私立の美術館の収支とか経営に関して、何か掴んでいらっしゃいますか、参考にするために。

[事務局・佐々木課長]申し訳ございません。私立の美術館の収支、経営に関して、情報は掴んでおりません。

[菊池委員]17ページの小島委員の意見に関連して、こういった形で電気使用量、去年も消耗品のことが書かれていて、日々努力されているということで、それはそれで大事なことなんですが、やはり何かこう目標設定の中でも基準というもの、例えば、美術館経営をする上で、固定経費比率だとか、自治体で言えば、経常収支比率みたいなもの、経営上の比率というものが平均的にある、それを1つの指針として、共有の1つの目標とする。もしそれがないのであれば、4年間運営してきたのであれば、費用的な問題が課題だと思うんですが、その部分のどこをどう工夫したらそこを増やせるかとか、過去の比率を自分たちで割り出して、どういう推移をしてきて、その変化がどうだったのか、その数値を下げるためには何をすればいいのかという、目標値から単に削減するだけでなく、その分から運営に費用を捻出していくような、そういう経営的な視点は大事だと思うんですね。例えば、電力量を減らすということはいいんですが、これだけでは息切れしていくものなんですよ。固定費を削減して、この分を運営費の一部に回して企画を充実させる、そういうような考え方の中から、経費削減を考えていくための指標を、一般的なものがなければ、今までやってきた数値の中から自分達でわかるような数値を割り出してみて、設定して、全員でそれに向かって努力していくという方法もあるんじゃないかと思います。

[小林委員長]小島委員がおっしゃったこと、菊池委員が今言われていることということですよね?

[小島委員]他の美術館がどう経営されているのかにも関心があったもので、お伺いしました。

[原田委員]私が思うのは、大企業がやっている美術館の場合、公共の役割というか、メセナと言うんですか。そういう意味合いで運営しているところもあると思うので、そういうところは儲かるとかそのあたりを度外視してやっているところもあると思います。名前だけ聞いたら、どんなところがやっているんだろう、人が来なくて大丈夫かなと思って、よくインターネットで調べてみると、すごい大きな企業がやってたりしますよね。美術というのは経営っていうだけじゃないところも考えなければならないところで、難しいですよね。

[小林委員長]美術館側としても1番気にしている、経営の視点っていうのは難しいし、電力量も前年度から5%下げるっていうのは、そのうち真っ暗にしないとどうにもならないような、そうじゃないところで何かないのかなと非常に苦労されている点があるので、今日出てきたようなお話を、今年度はともかくとして、次年度には活かせるような、基準を決められたり、基準になりうるものを探していただいて、経営に関する客観的な要素、こう活かしていく、こう削減していくとか効果的になっているものが言えるような方向の模索というのは必要かなと思います。

[事務局・佐々木課長]美術館の平均的な事業費の指標みたいなものに関しては、各施設、状況が違いますので、ないと思うのですが。例えば、他館の数値を見ながら、自分達にあてはめたときにどうなるかということを見ながら、指標を作るということはもしかしたらできるのかもしれません。過去5年しかないのですが、日頃から分析はしていますが、もう1回見直してみて、どこに力を入れるべきだとか、どこを削減すべきだとか、見ることは可能だと思いますので、改めて調べてみたいと思います。また、民間の美術館というのは、経営として収益を上げるというところではないとは思いますが、民間独自の仕方とかそういった指標みたいなものがあるかもしれませんし、併せて、調べてみたいと思います。

[小島委員]横須賀美術館でスポンサー企業を募集したらどうですか?美術館をサポートしますという企業です。横須賀芸術劇場のように美術館をサポートしていただける企業を募集してみてはいかがでしょうか?

[事務局・佐々木課長]例えば、事業の一環で展覧会でですね、お金の協力も時にはありますし、物質的な協力というところもあります。そこだけに依らずに、それ以外でスポンサー、サポートの方法があるのか調べてみたいと思います。

[小林委員長]1つ伺いたいのですが、例えば、これからの問題になりますが、横須賀自体のロケーションは東京まで行くにはかなり大変な時間をかけないといけない。そこで、東京のような国立の美術館のような役割を持たせるには横須賀の市の財政では到底というところですよね。ここに美術館があることによって、小学生や中学生が学校教育でどういう大きなメリットを持つか、そこで学校との連携、アーティストの出会いとかプログラムは書かれているのですが、その背後に横須賀市の教育委員会の人たちとか小学校・中学校の校長先生と具体的にどういう形で、プログラムをして、土曜日あたりに、楽な時間にイギリスのナショナルライブラリーでも寝そべりながら、子ども達が絵を見て、描いているわけですけど、そういう独特の横須賀の子ども達の雰囲気が実際にどうしたら作れるのかという、組織的な形での関わり、これから考えられないものかなと。館長は教育総務部長ですから、校長先生を集めやすい状況にあると思うので、例えば、学校との連携ということで素晴らしいことが書かれているのですが、その前にどうやったら子ども達と具体的に関わるのかみたいなもの、来年の事業計画に入ってくるようになると非常に重要な横須賀美術館の特徴的な役割になると思うんですね。黒岩先生、期待されるものがありましたらお願いします。

 

[黒岩委員]平成23年度の資料を見ても、10代の子ども達の観覧者数が伸びている。その中で認知手段としては、学校へのチラシっていうのが効果を上げているというところはあります。子ども達が興味を持って、足を運んでくれるような、その1つの仕掛けとして、6年生で今やっていただいている美術館での鑑賞会、また、夏休みに中学生向けのワークショップがあったり、子ども達がここにきて、色と形と出会う中で、生きて行く上での豊かさをここで得て、育っていってほしい、仕事帰りに寄ってみたりとかそういう市民にとっての豊かな心が育まれる素晴らしい美術館になっていくんじゃないかと思います。6年生になったら、必ず美術館に行って作品を見ることができる、また、子ども達が作った作品を造形作品展という形で1月には開催していただいている、その中で、親を含めて、造形作品、色と形を通して、子ども達が心豊かに育っていく場になってくれたらいいかなと思います。今回、事前に学校に来て、一緒にワークショップみたいな形でも、さらに子どもたちに豊かな活動を育んでいただけるとうことも盛り込んでいただいている、この後、アートカードの相談したいことがあると聞いているので、嬉しく思っています。

[小林委員長]美術館のみなさん、努力されているんですけれど、大変な問題をいつも抱えているので、それを乗り越えるために意見を言っています。

[菊池委員]よろしいですか。ラルクアンシエルの資料が気になっているのですが、どういう位置づけになるのでしょうか。事業計画書には入っていないですよね。どういう観点で我々は見ればいいのかということですね。現に美術館を活用してこういうイベントを行って、23,000人の方が来たということは事実としてある。それが美術館の事業計画書には一切触れられていないという、その切り分けというのが、全く切り分けるのか、それともこの中に含めるのか、美術館自体は教育施設であり、観光施設であり、市をPRする施設、憩いの場所でもある、いろんな機能を美術館は持っているとすると、その中の1つとして、これは異質なものではなくて、あっていいものではないかなと。でも、評価は評価としてしなければいけないのかなと思ったのに、全く関係ないものとして捉えられているというのはどういう位置づけなのかなというのが質問です。

[小林委員長]その他のことで、この資料を説明していただく予定でしたが、その他のことを入れて、進めて下さい。

[事務局・渡辺部長]ラルクアンシエルに関しては、先ほどからお伺いしている皆さんのお言葉に全部通じていることなんですが、美術館のあるべき姿を作るべく模索しています。ラルクアンシエルは手法の1つということで、今までの美術館のあり方とか整合性とか整理ができないまま、やってしまったというのが正直なところです。うまく我々としても整理がしきれなくて、こういう形になっています。こういう結果を踏まえ、これからも何回かやる予定ですが、将来的に横須賀美術館をどういう風にしていくか、集客、お話に出た子ども達の教育という点もあります。例えば、わかりやすく言うと、10月の芸術の秋のシーズン、この時にこういうものをすれば集客的には強い、一方で、子ども達にいろいろな絵画を見てもらいたい、そういう季節がバッティングした時に、どっちをやっていくんだ、今年はこうで、来年はこうだ、10月と11月でどうだというようなこともこれから具体的には作業を進めて行かないといけない。今回はそういうことで将来1つになるため、統合するための試行ということでやらせていただいたので、今からちょっと別の説明をさせていただきたい。内容的にも向いている方向、ラルクアンシエルはどちらかと言えば集客に軸足を置いたものですし、その他の方はどちらかというと、社会教育施設としての美術館に重きを置いた活動となっています。これがうまくまだ溶け込めていないので、今回は別の説明とさせていただいた形です。

[菊池委員]それはそれで説明としては成り立つと思うのですが、だとすると、社会教育施設としてのこの期間、6月9日から7月8日までの1か月、今度また3月2日から。この期間、全く異質のものとして、このイベントに供されるというのは社会教育施設としての意味合いが薄れることは間違いないですよね、この2ヶ月間。

[事務局・渡辺部長]いわゆる社会教育施設として、何が社会教育施設かという議論もありますが、そういう意味ではそうですね。


[菊池委員]全く切り離すというのは、ある意味、いい場合もあるけれど、悪い場合もある、1年を評価する場合に、この2ヶ月間をどう評価するかというのは重要なポイントになる可能性があるんです。例えば、10万3000人と設定したものが、もしかしたら、10万だった時に、その影響がこの2ヶ月間っていう可能性だってでてきますよね。はっきりとは言えませんが。だとすると、全く切り離した形でっていうのは、試行期間であったとしても、その2ヶ月間に対する評価というのは、どこかに入れておかないと、イレギュラーな1年間の評価になるってことは間違いないですよね。理念を切り離すというのは、大事なことだと思いますけど、現存する運営に対しての影響という部分においては、どこかに書き残しておかないと。

[事務局・渡辺部長]最終的な事業報告みたいなものの中では、この期間はこういうものをやった、ここで2万人来てます、いわゆる美術館の観覧者数は10万人でしたけど、この期間で2万人、この期間は1万人、これ全部合わせると13万人でしたという報告書になると思います。

[菊池委員]どっちにするのかなと思ったんですよ。全く切り離して、足せばこうですよという形なのか、13万人でした、内3万人はこうでしたという書き方、これは全然違うんですよね。主体が。

[事務局・渡辺部長]そこがまさに今検討しているところです。

[菊池委員]では、議論中ということでよろしいですか。今日は評価じゃないので、基準の中で気になったことということで伺いました。

[小林委員長]私も気になっていることがあるので、横須賀美術館というのは1つのイメージを持ってやっておられる。あのイベントがいいとか悪いとか評価は別として、重要な部分、場所が使われている以上、企画の中に何らかの形でスタッフが関わっていることが大変必要なんだろうと思います。スペースを渡しちゃってやること自体が、横須賀美術館の将来的な長い展望にとって、一時的には集客の対象になるんですが、バスに乗っていてもいつも横須賀美術館を訪れる人とはちょっと雰囲気が違う。やはり横須賀美術館で場所を提供して行われる以上は、横須賀美術館がきちっと声を上げていれられるような状況にしないと、貸し施設みたいな形になると、本来的に美術館の機能としてはできにくくなるのかなと感想としてあります。そういったことを含め、菊池委員から評価の問題あったと思うんですが、

[原田委員]美術館でまさかこういう展示がされるとは思っていなかったので、でももちろん美術館で行われた以上は評価することになると思うのですが、前回の説明ではこの期間は切り離されているんだというような言い方で事業が行われたということですが、ちょっと納得できないんです。インターネットで調べたら、ファンから借りたものが展示されているということがあって、内容云々ではないですが、せっかくここまで美術というものが理解されて、すごいいい形で子どもやボランティアの方や市民に美術を理解してもらうっていう雰囲気が盛り上がって充実してきたところで、どうしてこれなんだっていう。横浜では、ゆずの全く同じようなイベントがされているようですが、美術館ではなく埠頭の方の施設を使っているらしいんですけど、なぜこの企画が美術館で行われなければいけないのか、横須賀市には貸す施設は他にもあると思うんです、もし横須賀市でやりたいというのだったら。やりたい方が横須賀美術館はいいロケーションだからやりたいと言ったのかもしれませんが、私は社会教育的な見地からも今までの横須賀美術館の歴史を考えても、本当にここは評価委員に加わった以上はきちっと評価したいし、考えて欲しいと思います。

[小林委員長]集客という点では、2万3226人とうことですが、一方で貸し施設となることで自らの手で自らの施設を崩壊させてしまうんじゃないかと危惧される点もありますしね。美術館とは本来何なのかという問題も私たちは真摯に問いながら、社会教育のあり方っていうものをどう考えたらいいのかという課題は残っているので、もし使われてやるようになって集客を問う問題にしても、企画の面で美術館を背負う学芸員の人やスタッフの人が参画して、つかわれるような形にしないと、単なる貸し会館にしていくような手立ては非常に危惧される点だと思います。このへんも25年度に評価の中で考えていかなければならない問題として出てくるのかなと思います。いろいろ議論していただいて、まとめるのが大変でしょうけど、今年は計画として出て、基本的にはこの線で評価書を作るにしても、やはり総括と言うか、全体、何をやるんだというところだけは次回までに見せていただくと。今日出た問題は25年度に向けて、評価していく時の積極的な材料とされたり、企画を作り上げる時の材料にしていただくということで、委員会としては、今年度は全体として、どういうところに方向性を持って進んでいくんだということはお作りになって下さい。よろしいですか、そういうことで。何か他に。

[小島委員]ラルクアンシエルのイベントですが、レアな展示作品だと思うので、保険はどうなっているんでしょうか。一般的にも他の美術館からも借りることがあると思いますが、保険は独自にかけているんでしょうか?

[事務局・佐々木課長]「資料2」を説明させていただき、その後に、お答えさせていただいてよろしいでしょうか。

=「資料2」読み上げ=

 保険に関してのご質問ですが、美術館で行っている展示は全て保険をかけています。運搬を業務委託しているので、その際に保険をかけています。

[小島委員]それは包括保険ですか?

[事務局・佐々木課長] 作品1つ1つに対してです。ラルクアンシエル展につきましては、事業実施自体を株式会社電通さんがやっていました。保険はかけているのだろうと思います。

[小島委員]それは電通さん持ちだったわけですね。では、特別に負担したコストというのはなかったんですか?

[事務局・佐々木課長]この展示につきましては、教育委員会が市側に場所を提供する、市は民間と役割分担をした中で、電通さんがお金を出して、事業を実施したというものですので、市側の負担はないということです。

[小島委員] 照明代とかありますよね?

[事務局・佐々木課長]厳密に言いますと、ここでこの展示に関して、税金は1円も使われていないのかと言うと、当然、空調、照明、照明を使わないということはあるかもしれませんが、施設の維持管理という面から経費は発生しています。

[小島委員]それは請求なさらなかったんですよね?

[事務局・佐々木課長]そこは役割分担と言うことでやっておりました。

[黒岩委員]確認していいですか。集客を目的とした特別企画展と言うことなんですが、今年度から突然入ってきたわけですが、これからの見通しとして、美術館が関わらないで市の経済部が企画したイベントスペース的な扱いというのは、やらざるを得ない方向で進んでいるんでしょうか?

[事務局・渡辺部長]今協議中ですが、今年度についてはやることになりますが、先ほど、小林委員長からご指摘いただいた学芸員のこと、もう少しコンタクトを取って、お互いに役割分担をしながらやっていきたいと思っています。来年についても、もう1年こういった形でやりたいと思っているのですが、こちら側の希望としては、民間の力をお借りして、我々にはできないような絵画、芸術作品を持ってきてもらえないかと、そういう中でお互いに学芸員とコラボレーションしつつ、本来の美術館の姿、全く異質なものにいくのもいいかもしれませんが、お互いの力を合わせて、さらにレベルアップを図れるようなことができないかということで、内部で話はさせていただいています。

[小林委員長]いろいろな形で努力されていると思うんですよ。課題としては、事業計画書がもう少し早く出るようにということと、実際に事業計画が出て、既に半年が過ぎているので、今日出たような問題は25年度に向けて、課題として入れ込んでいただくように検討していただこうと。24年度は事業計画の全体を包むものはこういうものだと、A4か何かで1ページでまとめていただいて、お見せいただくと評価する時に勉強になりますので、よろしくお願いします。委員会の方は、自由に討論させていただき、お話も提起させていただきましたので、お返しします。

[事務局・佐々木課長] 本日はどうもありがとうございました。

(閉会)