美術館について

美術館評価制度

横須賀美術館評価委員会(平成26年度第3回)

日時:平成27年3月17日(火)午後2時00分~4時30分
場所:横須賀美術館 ワークショップ室

1 出席者
   委員会 委員長    小林 照夫  関東学院大学名誉教授
       副委員長   菊池 匡文  横須賀商工会議所事務局長
       委員     安藤 浩史  観音崎京急ホテル社長
       委員     柏木 智雄  横浜美術館学芸グループ長
       委員     黒岩 弘明  横須賀市立大楠小学校校長
       委員     榊原 睦美  市民委員
       委員     庄司 佳子  市民委員

   館 長 教育総務部長        大川原 日出夫
   事務局 美術館運営課長       佐々木 暢行
       美術館運営課広報係長    吉田 紀彦
       美術館運営課管理運営係長  栗野 真一
       美術館運営課(管理運営係) 上野 誠
       美術館運営課(学芸員)   中村 貴絵
       美術館運営課(学芸員)   沓沢 耕介

2.議事
(1)平成27年度美術館事業計画(案)について


3.会議録


【開会】
[事務局・佐々木]:定刻になりましたので、「平成26年度 第3回横須賀美術館運営評価委員会」を開会いたします。
開会にあたりまして、横須賀美術館館長事務取扱、教育総務部長 大川原より、ご挨拶申し上げます。


[大川原館長]:本日はご多忙の中、平成26年度第3回横須賀美術館運営評価委員会にご出席たまわり、誠にありがとうございます。
また、年度末のお忙しい中、事業計画案をご確認いただき、感謝申し上げます。
横須賀美術館は、開館から丸8年を迎えようとしています。観覧者数は、開館当初から目標としていた年間10万人をほぼ毎年達成しまして、今年度も1月末現在ですでに10万人を超え、来年度中にはのべ100万人に達する見込みです。これも、美術館スタッフの努力のみならず、本日お集まりの委員の皆様をはじめとする関係者の皆様のご理解ご協力の賜物であると感謝の気持ちでいっぱいでございます。
さて、このたびの平成27年度事業計画案につきましては、美術館が掲げる3つの使命を果たしつつ、さらに多くの方に利用される美術館となることを念頭に、策定いたしております。
後ほど説明させて頂きますが、新たなジャンルへの挑戦となる「ウルトラマン創世紀 展」や、横須賀製鉄所創設150周年記念事業の一環として開催する「浮世絵に見るモダン横須賀&神奈川 展」をはじめとした魅力ある展覧会、そして、多様なテーマのワークショップなどを開催し、多くの方に利用され愛される美術館を目指して行きたいと考えております。
事業計画案の策定にあたっては、これまでに委員の皆様から頂戴した意見を加味したつもりでおりますが、ぜひ、忌憚のないご意見を頂戴できればと思っております。
なお、ご審議いただく事業計画案は、本日頂くご意見と4月に決定される教育総務部の方針を加味・修正したうえで確定とさせていただきたいと考えております。
それでは、本日もよろしくお願いします。


[事務局・佐々木]:それでは、本日の資料の確認をさせていただきます。
-(資料確認・略)-
また、本日は傍聴の方が1名いらしております。


 それでは、小林委員長、議事の進行をお願いいたします。


【議事(1) 平成27年度横須賀美術館事業計画(案)について】
[小林委員長]:それでは平成27年度横須賀美術館事業計画(案)について、議事に入りたいと思いますが、担当の方から一括してご説明いただいて、終わりましたらそれぞれ項目ごとに皆様方からご意見やご質問をいただいて審議を重ねたいと思っております。
それでは、事務局から説明をお願いします。


[事務局・佐々木]:平成27年度 横須賀美術館 事業計画書(案)についてご説明させていただきます。
この事業計画案につきましては、新年度予算として、現在、市議会でご審議いただいている事業、また、予算にはでてこない部分を含め、新年度開始に先立ち委員の皆様に27年度の計画を事前説明することによりご意見をいただき、事業の早期改善に役立て、かつ業務の進行管理を行なっていきたいと考えております。
なお、計画書内の26年度数値は全て1月末現在の数値に統一させていただいておりますので、ご承知おきくださいますようお願いいたします。
それでは、お手元の資料「横須賀美術館 事業計画書(案)」の1ページをご覧ください。
初めに、27年度も昨年に引き続きまして事業計画に「より多くの方に愛される美術館に」という運営方針をかかげました。厳しさをます財政状況、人口減少が続くなど、本市の現状は大変厳しいものであり、美術館のあり方についても問われています。このような状況の中で、美術を通して文化の向上を図り、さらに多くの方に愛される美術館になりたいとの原点に立ち返って、平成27年度の事業計画を策定しました。
当館の使命、目標を1ページ下段に記載させていただいております。この目標に基づき、この後、ご説明をさせていただきますが、誰もが楽しめる親しみやすい美術館を目指して、事業を展開してまいりたいと考えております。
それでは、担当ごとに事業計画を説明させていただきます。


[事務局・吉田]:それでは、事業計画書の2ページをご覧ください。
私からは、『Ⅰ 美術を通じた交流を促進する』の内、
【① 広く認知され、多くの人にとって横須賀を訪れる契機となる。】の、事業計画及び目標についてご説明させていただきます。
まず、平成27年度の事業計画ですが、「1 展覧会の実施」につきましては、例年のとおり5つの企画展と児童生徒造形作品展の開催を予定しています。それぞれの展覧会名、会期及び観覧者の見込み数は記載のとおりです。
次に「2 広報・集客促進事業」ですが、5つの柱となる(1)~(5)の方向性、これにつきましては26年度と変更はありません。
具体的な取り組みについては、新規および変更のあったものについて、ご説明させていただきます。
まず、(1)の「訴求活動による集客促進」では、最後に「インバウンド推進の第一歩としての英語版パンフレット作成」を追加いたしました。英語版パンフレットの作成は、平成26年度予算としても要求したものの予算配当がなされなかったので、27年度は紙やインクなど消耗品費だけを予算要求し、国際交流課などと連携を取りながら自前で作成することを予定しております。
次に、(2)「イベント開催など企画展以外の要因で利用者を増やす取り組みの推進」です。3ページをお開きください。
最後に「ユニークベニューなど新たな活用方法の調査、研究」を追加しました。美術館などのユニークベニューとしての利用は、国際会議などを誘致する有力なツールの一つとして観光庁などが推進しているものですが、当館でも収入増に繋がる新たな活用方法として調査、研究する予定です。
次に、(3)「外部連携の推進」ですが、①「他部局との連携」に、「米海軍横須賀基地在住者の誘致」、「芸術劇場、博物館など近隣の文化施設とのイベントの開催」を、③「近隣地域との連携」に「観音崎全体の魅力を向上させるためのイベントの開催」、「地域での消費活動を促進する取り組みの検討」をそれぞれ追加しました。
こうした外部との連携を強化し、美術館の認知度の向上や集客促進に繋げて行きたいと考えています。
次に、(4)「団体集客の推進」では、「市内民間事業者と連携した商品開発の検討」を追加しました。
ここ数年、重点事業の一つとして取り組み、募集型企画旅行による年間観覧者数が
2,000人を超えるところまできた「団体集客」ですが、何の努力もせず、いまの状態がこのまま続くと言うことはあり得ないと考えています。
しかし、旅行事業者に営業を行なっても、美術館単体で募集型企画旅行を誘致することは難しいと思われます。そこで、市内集客施設を運営する民間事業者と連携し、旅行事業者に提案できるような新たなツアー商品の開発を検討して行きたいと考えています。
最後に、(5)「商業撮影の受入と誘致」ですが、こちらも重点事業として取り組んできた甲斐もあり、今年度は受け入れ件数、使用料ともに過去最高となる見込みで、次年度に向けて大きな変更はありません。
次に「達成目標」ですが、事業計画に記載されている観覧者見込み数というのは、
歳入予算との兼ね合いもありまして、積極的な情報発信などを実施してやっと達成できるのでは、という高いレベルで設定しているということを、今年度、平成26年度の事業計画作成時にお話しさせていただきました。同じ理由で、平成27年度の達成目標も、観覧者見込み数と同じ104,000人といたしました。
次に「実施目標」ですが、記載のとおりで、今年度との変更点はありません。
私からの説明は以上です。


[事務局・中村]:続いて5ページ、
【② 市民に親しまれ、市民の交流、活動の拠点となる。】について、説明させていただきます。
美術館ボランティア活動の推進ですが、「ギャラリートークボランティア」、「小学校鑑賞会ボランティア」、「みんなのアトリエボランティア」、「プロジェクトボランティア」、「プロジェクト当日ボランティア」の5つの柱に分けて、内容と目的を明確にし、ボランティア活動を推進しております。
「ギャラリートークボランティア」については年50日程度の活動。
「小学校鑑賞会ボランティア」についても同程度の活動。
「みんなのアトリエボランティア」につきましては年12回、月1回の活動を開催しております。
「プロジェクトボランティア」については、年30日程度の活動を予定しています。
「プロジェクト当日ボランティア」につきましては、プロジェクトボランティアが企画したボランティアイベントが年3回ございますので、こちらで前日の準備または当日活躍していただけるボランティア活動を、年6日程度予定しています。
各ボランティアの活動日等は下の表の通りですので、ご確認をお願いします。
達成目標についてですが、参加者数は「活動が活発に行われているか」「魅力的な活動を企画しているか」をはかるための指標の1つとなっております。26年度はプラス15名の方がボランティア活動に参加しておりますが、新規に活動に加わる人がいる一方、継続的に活動していた方が年齢や家庭のご事情などで引退するケースも散見され、担い手の数は全体として横ばいとなっております。
「ギャラリートークボランティア」は、27年度は新規募集を行わないため、研修の回数は26年度よりも少なくなります。
「小学校鑑賞会ボランティア」は、年度ごとの募集となりますので、こちらは継続も可能ですけれども、参加者の微増を期待したいところと考えています。
「みんなのアトリエボランティア」の登録者数自体は増えておりますが、「みんなのアトリエ」参加者10名という定員に対して、ボランティアは2~3名と決まっておりますので、活動自体は横ばいとなっております。
「プロジェクトボランティア」の活動では、地域の主婦の方々が多く関わるようになったため、平日の活動がやや増えている傾向にあります。また近年、イベントへの一般参加者数は、スタッフの人数と会場のキャパシティからみて、安全に楽しむことのできる限界に近付いていると考えられます。
年間の活動日数、ボランティアの参加状況、イベント参加者数の動向を踏まえて、27年度の目標はのべ2,000人としております。
説明は以上となります。


[事務局・沓沢]:8ページ、『Ⅱ 美術に対する理解と親しみを深める』の内、
【③ 調査研究の成果を活かし、利用者の知的欲求を満たす。】について説明いたします。
事業計画ですが、
展覧会事業として、企画展と所蔵品展を開催しておりますが、まず企画展について、幅広い関心にこたえるために特定のテーマによる展示を年6回開催しております。
27年度は、春には多くの人に親しみをもっていただけるテーマ展、夏にサブカルチャーをテーマにした展覧会、秋に親子向けの絵本展を準備しております。また、他に横須賀の歴史をテーマにした展覧会や現代美術の分野からも予定しております。それに加えて毎年開催しております「児童生徒造形作品展」を予定しています。
まず4月から6月にかけましては、「ほっこり美術館」というテーマ展でございます。この「ほっこり」という非常に感覚的な言葉でございますが、そういうものをキーワードに、いままで見られてきた美術作品を新たに捉えなおそうというものです。
6月下旬から8月にかけまして、「ウルトラマン創世紀展」を開催いたします。これは皆さんよくご存知の、ウルトラマンシリーズのうち1966年から80年にかけて制作されたテレビシリーズについて、これにまつわる当時の撮影資料ですとか、その当時の子ども向けのおもちゃに関する資料などを集めた展覧会でございます。
9月から11月にかけましては、「長新太の脳内地図」を開催いたします。長新太は10年前にお亡くなりになりましたが、著名な絵本作家、イラストレーターとして知られている方です。絵本や子どもの本の原画のほか、大人向けの漫画やイラストレーションについてもご紹介いたします。
11月から12月にかけまして、全庁的に取り組んでおります横須賀製鉄所(造船所)創設150周年記念事業の一環といたしまして、「浮世絵にみるモダン横須賀&神奈川」という展覧会を開催いたします。これは斎藤コレクションという浮世絵の大コレクションの中から、開港・文明開化の横須賀にまつわる作品を選んで展示するものです。
9ページに移りまして、例年通り「児童生徒造形作品展」を1月に開催いたします。
2月から4月にかけましては、嶋田しづさん、磯見輝夫さんの二人展を開催いたします。このお二人はいずれも近隣在住の、地域にゆかりのある方でございまして、それぞれの長所を活かしながら呼応し合う展覧会になるのではないかと思っております。
その他に所蔵品展と谷内六郎展の開催を、年4回予定しております。
2番の教育普及事業ですが、ここでは「知的好奇心の育成と充足の機会を提供する」という目標に関わることについて、以下の通り開催を予定しています。
10ページに移りまして、3番として美術図書室運営事業。こちらについても以下のように踏み込んで考えております。
達成目標は、「企画展の満足度80%以上」を目標にしております。平成24年度から26年度の経緯を見ますと、概ね80%前後を推移しております。26年度は1月末現在までの集計でこの目標を超えそうなのですが、27年度の目標としてはやはりこの80%というのは妥当と考えております。
実施目標につきましては記載の通りです。
先ほど申しましたが、この目標では、子ども向けを別にしまして、一般向けの教育普及事業について目標としております。
説明は以上となります。


[事務局・中村]:続きまして12ページ、
【④ 学校と連携し、子どもたちへの美術館教育を推進する。】についてご説明させていただきます。
まず事業計画ですが、「学校との連携」につきましては、
1 中学生のための美術鑑賞教室の開催
こちらは、夏に中学生向けに鑑賞ガイドを用意し、学校外での美術を学ぶ場となる美術鑑賞教室を開催いたします。
2 「美術鑑賞会」の受け入れ
こちらは、横須賀市立の全小学校6年生を美術館に招きまして、ワークシートを用いて美術館における美術鑑賞教育となる鑑賞会を開催いたします。
3 出前授業の実施
学校教育と連携し、美術館職員が学校に出向き、授業の中で美術館を活用した美術教育を実践する出前授業を実施いたします。平成25年度初め頃にアートカードが完成しましたので、こちらのアートカードを使った出前授業が、実験的に27年度開催できればと考えております。
4 職業体験の受け入れ
26年度は15校の中学生が職業体験として当館を訪れましたが、27年度も子どもたちが美術館で仕事を体験するこちらの活動を、随時受け入れていきたいと思っております。
5 学芸員実習の受け入れ
こちらは、学芸員資格を取得しようとする大学生などに向けた実習の受け入れを考えております。
6 教員のための研修
美術館の所蔵作品やアートカード等の教材を活用した鑑賞教育についての研修を行います。
次に「子どもたちへの美術館教育」ですが、
1 ワークショップの開催
毎年行なっておりますように、子どもたちが美術に親しめるようなワークショップ事業を考えております。
2 映画上映会の開催
夏にこちらの「海の広場」にて毎年開催しておりますが、多くの方にお越しいただいておりますので、こちらも夏の開催を考えております。
3 親子ギャラリーツアーの開催
企画展ごとに学芸員が、親子を対象に美術をより深く知ってもらうためのギャラリーツアーを開催したいと考えております。
4 保育園との連携
市立保育園10園と連携し、おもに年中・年長の児童に向けた鑑賞プログラムを実施します。園ごとに、学芸員による「出前プログラム」と来館時の「美術館ツアー」の2つを開催する予定です。
次に達成目標ですが、子どもたちが美術館に親しみを持ち、利用しやすくするための様々な取り組みをしておりますが、その成否は実際の観覧者数に反映されるはずと考えております。
従来、横須賀美術館では、一定の質を保った美術展を年間を通じてバランスよく行うこととしておりますが、特に夏季には家族で楽しめる美術館であることをアピールするよう心がけ、平成26年度につきましては「子どもと美術を楽しみたい!キラキラ、ざわざわ、ハラハラ展」を開催いたしました。その結果、下の表にもありますように、特に幼児の観覧者数が前年より大きく増加しております。27年度も、この方向性を維持していくことを前提に、美術館でなければできない子ども向けの事業を行ないたいと考えております。しかし、市全体の14歳以下の人口が減少していることや、中学生の観覧者数は横ばい傾向であること、また、平成27年度より、収支改善の取り組みとして子ども向けワークショップを有料化する予定でありますので、中学生以下の観覧者数が容易には増加しにくい条件がいくつか見られることを考慮し、平成27年度の目標は、これまで通り22,000人としております。
実施目標、及び目標設定の理由につきましては記載の通りです。
以上でございます。


[事務局・沓沢]:続きまして15ページ、
【⑤ 所蔵作品を充実させ、適切に管理する。】という、美術品の収集・保存・管理等に関する項目につきましてご説明させていただきます。
まず事業計画ですが、新たな美術品の収集を行なうとともに、所蔵する美術品の管理を行ないます。
1番として「美術品の収集」。2番として「所蔵作品の管理」。これは、修復・額装、及び作品の貸出を含んでいます。3番として「環境調査の実施」。収蔵庫、保管庫、及び周辺の環境が作品を保管するのに適切かどうかについて、年2回の調査を行なっております。それから4番として「美術品評価委員会の開催」。これは年1回を予定しております。寄贈・寄託をいただく作品について、専門的見地から審議いただく委員会となっております。
次に達成目標として、環境調査を2回実施すること、また、美術品評価委員会を1回開催することをあげております。
基金について、購入費が充当されていないため、収集は寄贈に頼っているという状況は現状の通りでございます。
実施目標につきましては、記載されている通りの目標を掲げております。
以上でございます。


[事務局・上野]:『Ⅲ 訪れるすべての人にやすらぎの場を提供する』の内、
【⑥利用者にとって心地よい空間、サービスを提供する。】についてご説明させていただきます。17ページをご覧ください。
事業計画の1 運営業務としまして、
「受託事業者との定期的なミーティングの実施による情報共有」、
「受託事業者からの業務日報や来館者アンケートに基づく課題の把握」、
「館内巡回による清掃状況及びスタッフ対応等の確認」、
「レストランと連携した企画展ごとのコラボレーションメニュー提供の継続」、
これらは全て、以前より実施してきておりまして、目新しい内容ではありませんが、継続して実施することで効果があらわれてくるものと考えており、実際に情報共有が進み、事業者と事務局の連絡の齟齬などはほとんど見られなくなっていると実感しています。
次に、「ショップ・レストランへのアンケート結果等の提供」につきましては、民間経営ですので強く口出しはできませんが、来館者からいただいたご意見をそれぞれ店側に伝え、商品や接遇などの改善に活かしていただきたいと考えております。
「モニタリングによるホスピタリティ調査の実施」につきましては、26年度、受付・展示監視業務の受託事業者による覆面調査を行いました。
次に2番、維持管理業務としまして、
「中長期修繕計画作成の継続」ですが、現在作成されている素案を基に、市の財政課と相談しながら、計画的な施設修繕を行なっていきたいと考えております。
次の「案内サイン台帳の作成」ですが、美術館敷地内・建物内にある案内サイン、正面入口の「横須賀美術館」という白い切り文字や駐車場にある利用案内など、いろいろとございますが、その台帳を作成することにより、例えば、消費税の増税などで観覧料や駐車場使用料に変更があった場合に、どこの看板を修正する必要があるか、どこかに漏れがないかなどが把握しやすくなると考えています。
「屋外への簡易休憩所設営の継続実施」につきましては、26年度、ゴールデンウィークから秋までの土日祝日、こちらワークショップ室の外に簡易型のイスとテーブルを出してみましたが、利用率が高く、またご好評いただきましたので、27年度も継続してまいります。
次に達成目標につきましては、
館内アメニティ満足度 90%以上、スタッフ対応の満足度 80%以上
を目標といたしました。
目標設定の理由は、下に記載させていただいた通りですが、これまで目標値が一定ではなく変動していましたので、委員の皆様からのご意見も参考に、27年度からはこの目標値で当面固定化し、評価をいただきたいと思います。
ちなみに、館内アメニティ満足度90%以上という数字は、平成23年度に一度だけ達成しておりますが、スタッフ対応の80%以上という数字は、一度も達成しておりません。ただし、18ページにございますが、1月末現在の数字では、目標値に到達しております。こちらは、昨年10月に受付・展示監視の事業者が変わったことも影響しているのではないかと思われます。
最後に、26年度の事業計画に、「業務仕様書の見直しを行ない、受付展示監視業務受託者への接遇研修の義務化」という計画を入れさせていただいておりましたが、業務仕様書に接遇研修の実施を明記したうえで、昨年10月から新たな受託事業者が業務実施しており、外部講師による接遇研修も実施しておりますので、27年度の事業計画からは削除させていただきました。
⑥の説明は以上となります。


[事務局・中村]:続きまして、
【⑦ すべての人にとって利用しやすい環境を整える。】について、事業計画からご説明させていただきます。
1 福祉活動講演会の開催
2 障害者向けワークショップの開催
3 障害児向けワークショップ「みんなのアトリエ」の開催
4 パフォーマンスの実施
5 託児サービスの実施
6番、米印にも書いてございますが、27年度より、対象年齢や性質を考慮し、評価項目【④ 学校と連携し、子どもたちへの美術館教育を推進する。】の項目から、今回こちらの【⑦ すべての人にとって利用しやすい環境を整える。】の方へ移動させていただきました。「託児サービスの実施」と同様に未就学児を対象にした事業ですので、こちらの項目で活動をさせていただいております。
次に達成目標について、「福祉関連事業への参加者数のべ340人」とさせていただいております。
目標設定の理由ですが、福祉関連の事業は、対象を限定すればするほど参加者数が減る傾向にございますが、一方で対象を限定した細やかな心配り、視点をもった事業展開こそが必要な分野でもあると考えております。上記のような事情により、福祉関連事業は、その年の事業の性格次第で参加者数の増減が大きくなりがちです。そこで、過去の事業内容と参加者数、平成27年度の事業内容を考慮し、今回は415人を平成27年度の目標値といたしました。
ページ移りまして20ページ、「福祉関連事業への参加者数」が一覧となっております。こちらは後でご確認いただければと思います。
実施目標、及び目標設定の理由につきましては記載の通りです。
先ほどご説明させていただきました、19ページの達成目標、太字のところ、「福祉関連事業への参加者数のべ340人」となっておりますが、こちらは下の「目標設定の理由」にある415人へ書き直しをお願いいたします。大変申し訳ございませんでした。
⑦の説明については、以上になります。


[事務局・栗野]:それでは、
【⑧ 事業の質を担保しながら、経営的な視点を持って、効率的に運営・管理する。】について説明させていただきます。21ページをご覧ください。
まず、事業計画についてご説明いたします。
事業計画に関しましては、平成26年度の事業計画から変更なく、同じ内容とさせていただいております。
1点目の「エネルギーの消費管理を行い、省エネ対策を推進します。」についてですが、引き続き消費管理と省エネ対策に取り組み、次にご説明する達成目標をクリアしていきたいと考えています。
2点目の「サービスを低下させず、経営的な視点で委託業務の業務内容の見直しを行う。」ですが、経営的な視点をもちながら、今以上のサービスを提供できるように、各種委託業務契約を締結する際の仕様書の内容を、今一度点検するなどして、業務内容の見直しを行なってまいります。
3点目の「四半期毎に消費エネルギーの数値等を職員に周知し、コスト意識の啓発を図る」ことにつきまして、毎月行なっております課内ミーティングを活用して、四半期ごとの数値を報告。増減の理由を検討し、コスト意識を持って事業を遂行するよう職員の意識合わせを行い、引き続き、取組みを行なってまいります。
次に達成目標ですが、電気使用量、水道使用量、事務用紙使用枚数を直近3年間の平均値以下とします。
総事業費の約14.5%もの割合を占める電気料等ですので、これまでと同様に、達成目標を定めて管理していく必要があります。
職員が努力した効果を目に見えて感じることができる目標として、昨年度までは、前年度実績以下となることを目標としておりましたが、26年度の第1回目の本委員会で、電気使用量について前年度実績を目標とするのは考え直したほうがよいとのご意見をいただきまして、検討した結果、水道使用量や事務用紙使用枚数を含め、前年度実績以下となることを目標にするのではなく、直近3年間の平均値以下を当面の目標とすることとしております。
ちなみに総電気使用量は、平成22年度以前は年間300万kwh前後で推移しておりましたが、震災の影響により節電対策が強化された平成23年度から、毎年年間250万kwh台で推移しておりますので、この位の数値目標が適正かと考えます。
なお、公用車走行距離につきましては、過去の委員の皆様からのご意見等を踏まえて検討し、平成27年度は目標にしないこととしております。
実施目標でございますが、費用対効果を常に意識して事業に取り組むことを、全職員が再確認してまいります。


以上で8つの目標についての説明は終了ですが、次の22ページの「横須賀美術館 平成27年度予算」についても説明させていただきます。
まだ予算につきましては、市議会で審議中でございますので、決定の数字ではございませんが、これまで説明させていただいた8つの目標に基づいた当初予算額を載せさせていただきました。
上の表は、下の表の美術館費全体の予算の歳出合計から給与費を除いた分を8つの目標ごとに振り分けたものです。
歳出予算の平成27年度の合計が338,662,000円、前年度比8,963,000円の増となっております。
簡単ですが、説明は以上でございます。委員長よろしくお願いします。


[小林委員長]:ありがとうございました。
ただいま①から⑧まで、それぞれ担当者の方に説明していただきました。
説明は①から⑧まで続けてお話しいただいたのですが、質疑は一括で行なうと混乱を招きますので、まずは①から質問やご意見がございましたらお願いしたいと思います。


[菊池委員]:よろしいですか。中身を見て、良く整えられていて非常に良いのではないかと思いますが、この事業計画2ページの展覧会、「横須賀製鉄所創設150周年記念事業」とありますが、これ自体がいわゆる全市的なモチベーションとして恐らく捉えられて、美術館だけでなく、いろいろな市関連の所でこういう冠事業が行われるのではないかと思います。ですので、通常の冠事業と違うという意味合いで、ここに名称として冠が出てはいるのですけれども、どこか、例えば「2 広報・集客促進事業」の中に入れたり、少し抜き出して表現するのもいいのかなと思います。
ただし、そこはやはり美術館の事業計画全体の中での位置付けとも絡んできますので、何とも言えないのですが、私はそう認識していますので、そういった意味で、美術館でもこの部分は通常とは違うモチベーションとして捉えている事業計画とするのであれば、どこかに抜きだした方がわかりやすいかなと、要するに例年とは違うという意味です。そういう感じはしました。


[事務局・吉田]:菊池委員の意見をお伺いして、確かにごもっともかと思いました。
要するに、ここを抜きだすことによって、我々のやる気というか、それに懸ける思いというのが伝わりやすくなるとは思いますので、修正も含めて検討させていただきまして、最終版をお送りするまでに考えさせていただければと思います。


[榊原委員]:それに関連してですが、横須賀製鉄所は今年で150周年を迎えますが、市の方では大きな事業ってあるのでしょうか。
すみません、美術館と関係ないかもしれませんけれど。


[大川原館長]:150周年ですので、全部局で取り組みますが、政策推進部というところが中心になってきます。11月は強化月間ということで記念イベントが実施されるなど、いろいろな所で行事が予定されていて、社会教育施設も美術館をはじめ博物館も当然そうですし、各図書館でもそれに関したイベントをやるところもあります。
例えば、何カ所かに行くと何か特典があるなどの企画もあるでしょうし、広報の打ち方も全庁的に一体的にやるということを聞いておりますので、そういったところでは美術館も一つの役目を負っていますので、そういった全体的な流れの中で盛り上げていきたいと思っています。


[榊原委員]:150周年にしては、企画が遅すぎるのではないかと思います。市のいろいろなボランティアの方からお聞きしていても、150周年ですよというわりには盛り上がっていないなと感じますが、いかがでしょうか。


[大川原館長]:150周年のプレということで、ポツポツといろいろな部局でやっているのですけれど、なかなか全体的に、委員さんがおっしゃるように少しスロースタートと言いますか、その辺が少し感じられるとは思います。11月は記念月間ですけれども、4月からいろいろな所でいろいろな事をやりますので、徐々にというか、盛り上げていけたらなと思っています。


[菊池委員]:4ページの達成目標、104,000人というところ。
この評価委員会の議論の中でも、先ほどアメニティの部分でもありましたように、一つのミニマムラインを決めてそれ以上という設定をしているものもあって、かつ、年間観覧者数についても104,000人という細かな数字が出ているのですが、こここそ10万人という一つのミニマムラインがあるので、それ以上というのが、通年の観覧者数での達成目標でいいのかなと思います。そうでないと、例えば104,000人の目標で達成値103,000人だったときに、評価委員会としてそれをどう評価するかとなるわけで、達成していなければ「B」にせざるを得ないというのは、やはり心苦しい部分もありますので、一つの10万人というミニマムラインがあるのであれば、それを超えれば「A」という部分があって、それ以上どれだけ伸ばすかによって「S」という評価が見えてくる。やはり目標値はそういう設定でいいのではないかという意見です。
同じように、実施目標の部分も、確かにここは定数的な部分が無いので、概念的な表現に終始するのですが、達成目標を補完するためのいろいろな事業をやるわけじゃないですか。例えばホームページだとか、フェイスブックだとか、ツイッターだとか。そういったものをやるということは、やはり定量的な部分も出てくるわけです。例えばフォロワーが何人いてとか、そういったものを見て観覧してくれる人がどれだけ来たかとか、実施目標の中には、そういったある程度具体の部分を若干折り込んでおいた方がいいのかなという気がします。ですので、フォロワーを何人にするとか、そういうことではなく、いま現状の少なくとも分析すべき、検証すべきものとして、定数的なものが出てくるものなので、その定数的なものから検証して、どういう現象が、お客さんが、この達成目標に反映されているのかという分析は恐らくできると思いますので、その部分を一つの目標設定の具体として入れておく。何人増やすとかそういうことではなく、どういう利用方法を考える、こういう結果だったので、というのがここにあってもいいと思います。そうすると、あとで評価するときに、この目標設定の理由に「広報パブリシティを云々」と書いてあるだけで、後で具体のものが羅列されるわけですよね。すると、すごくやっているように見えるのですけれど、やはりその中でも何をやるのかというのは、少し実施目標の中に折り込んでもいいのかなという気はします。


[事務局・吉田]:いま菊池委員から頂いた2つの意見、その内のまず一つ目なのですが、達成目標につきましては、「10万人以上にすべきではないか。」。我々にとっては非常にありがたいご意見なのですが、どうしても我々の立場としては、やはり歳入予算のときの見込数で出しているのに、それを下回る数値を目標と言うのは非常に言いにくい部分があるというところで、104,000という形を取らせていただいています。
ただ実際には、美術館の構想が出た段階で10万人というところが見込まれていたので、やはり10万人という形にさせていただければ、我々としても大変やりやすいのかなと。先ほどご説明の中で少しお話しさせていただきましたが、歳入予算の絡みでかなりハードルを上げてしまっているという実状がございますので、委員の皆様が同様の意見であれば、10万人という形にさせていただくと大変ありがたいです。


[菊池委員]:そうですね。確かに予算とのリンクというのは考えられるのですが、ただ要するに有料観覧者数だけではない部分の収入なので、予算は予算として複合的な目標値として、ここはあくまでも実質的な10万人という一つのバロメーターとして別枠で考えて何ら問題はないのかなと。きちんと目標設定の理由を、アメニティのところのように書いておけば、それは認められる部分かなと私は思いますけれど。


[事務局・吉田]:承知いたしました。先ほどの部分と併せまして修正させていただき、一度お送りさせていただければと思います。
2点目の「実施目標には、ある程度定量的な部分を入れるべきではないか。」というご意見ですが、一昨年、定量的な内部指標を先に事業計画でお出ししてしまったがために、4項目の内1個が確か達しなかったのですけれど、他の3つはかなり当初の目標を上回った。ただ1個下回ったがために「A」がつけづらくて、「B」評価して…


[菊池委員]:私が申し上げているのは、定量的に判断ができる内容をここに、だから数字は入れる必要はないです。「ツイッターでこういう方々が来ているから、今年はこういうふうな活用方法をする」とか、そういう実施目標を入れておいた方がいいと思いましたので。それは達成目標の方にフォローアップするわけなので。例えばここにあるように、「広報パブリシティ活動を通じて云々」と書いてあっても、実際に何をやるのかはわからないですよね、ですから全部羅列する必要はないけれども、一つ傾向的に、観覧者数に反映している要素があるとすれば、それを来年どういうふうに活用していくかということになると、それが昨年とは違った実施目標のあり方にも繋がっていくであろうし、評価するときにも評価しやすいという意味です。


[事務局・吉田]:承知いたしました。併せて修正させていただきます。ありがとうございます。


[黒岩委員]:4ページの年間観覧者数の達成目標の部分ですが、2ページに細かい見込数が入っています。ここの数字が妥当な数字なのかという部分。
私は児童生徒造形作品展にずっと関わっているので、この15,000という観覧者数が、この7回やっていく中でクリアした年があるのかなというのがちょっと。私はいま資料を持っていないので。今年で言うと13,719人で、その内の教職員が229名来ているという現状がある中で、更に1,000名というのはかなり厳しいだろうなと。展示されている作品数と会期でいくと、大体13,000ぐらいが毎年いつもの平均数値かなという気がしていますけれども、そこからどれだけプラスになったか、今年はマイナスかというのが。
適正値で言うと15,000は高いのではないかなという気がしますけれども、例年ですとどうですか。


[事務局・吉田]:おっしゃる通りで、確か今年が14,000弱。去年は13,000そこそこだったと思います。


[黒岩委員]:達成値の妥当なラインというのをある程度、7年やっていますので、あまり無理なところに置いてもらっても、なかなか厳しいところがありますので。
そうすると、全体がまたもうちょっと具体として10万というのが見えてくるのではないかなと思いまして。毎年やっているものなので。


[事務局・吉田]:それでは、大変申し訳ございませんが、来年の宿題ということで。
実はこちらのところが、児童生徒造形作品展をやる前に予算作成をするものなのですが、予算のときの人数を載せさせていただいておりますので、黒岩委員のご意見を参考に来年は慎重に設定させていただきますので、今年はこのままということでご承知おきいただければと思います。


[柏木委員]:一つよろしいですか。27年度、英語版パンフレットのインク、紙代の予算要求をなさっているということなのですが、何部くらい作成されて、ツールとしてどのような活用を考えていらっしゃるのですか。


[事務局・吉田]:現在のところ10,000枚を作成する予定で、インクと紙代を予算要求しております。一応、メインの配布先は米海軍横須賀基地を考えております。もちろん館内用としても受付に。実は既に100枚程度は置いてあるのですが、外国人の方がいらっしゃったら受付の方に渡していただくようにしております。ただ、どんどん持っていかれてしまうと、それほど枚数が無いものですから、まだラックには入れていないのですけれど、受付の備え付けという形で、既にやらせていただいております。


[柏木委員]:基地があるというのは非常に大きな特色で、そこにターゲットを絞っていかれるというのは、すごく理に適っているのではないかと思いますけれども、それに応じた何か、やはりサービスが要求されてくる可能性が多分にあると思います。その米軍基地の方々の鑑賞のための何か、そういうことが新たに求められていくことが考えられますので、その対応を事前に考えておかれた方がよろしいのではないかと思います。


[事務局・吉田]:実はこちらのお話し、一昨年、菊池委員から言われた「横須賀らしさ」というところで、「基地とかに働きかけてもいいのでは」とご意見を頂戴して、26年度予算要求をして配当されなかったので、27年度から自前でやるように考えております。
基地のお子様たちを呼ぶ。ただ、呼んだときに渡すものが何も無い。じゃあ、英語版パンフレットだけでも最低作ろう。という順序で考えさせていただいております。
ですから27年度、国際交流課等と協力して、米海軍横須賀基地のお子様たちを招待できるような形がとれればと考えているところです。


[小林委員長]:おもてなしの意味では、英語版パンフレットの作成というのは大切なことですね。いままで現実的に、英語パンフレットそのものを必要としている人たちというのは、大体どんな形でこの美術館に来ているのですか。


[事務局・吉田]:いままでは、おもてなし、ホスピタリティという部分では、少し欠落していたのかなと思います。
パンフレットに一部、欄外説明としての英語表記が日本語と英語の併記で書いてある部分はあったのですが、作品を紹介するとか美術館を紹介するような英語のパンフレットがございませんでした。
そういった中で、広報担当の職員と元国際交流課におられた再任用職員が協力して作った英語版パンフレットを、いま館内に据え置きさせていただいており、これを今度は館外にも配布していこうという順序で考えているところです。
ですから、いままでの部分としては少し足りなかったかなというのが、正直なところでございます。


[小林委員長]:まあ必要ですよね。よろしいでしょうか。
それでは②に移らせていただきます。なにかございますでしょうか。


[榊原委員]:いまボランティアに携わっているので、少しお話しさせていただきますけれども、現在、ボランティア自身は非常に前向きに、自主的に活動をさせていただいております。ただ、活動が外の方に広がっていないという気がします。特に、ギャラリートークのためにお客様が来てくださることがなかなかなくて。「この間、聴いてよかったのでまた来ました。」というお客様はいますが、もう一つ広がっていないので、もう少し考えていきたいなと思います。


[事務局・中村]:現在のところ、ギャラリートークの実施につきましては、ホームページ上で案内させていただいております。もっとほかの広報の仕方があるかと思いますので、検討させていただきます。


[小林委員長]:横須賀美術館のボランティア活動は、かなり充実しているのではないのですか。


[事務局・中村]:そうですね。ボランティア活動につきましては、館外の方からも評価いただいていると思います。


[小林委員長]:当初からたいへん努力されておりますよね。


[事務局・中村]:ありがとうございます。


[黒岩委員]:ボランティアの仕事のなかで、「小学校鑑賞会ボランティア」というのがあるのですが、これは見に来たお子さんに対する鑑賞のボランティアですけれども、今年度アートカードを全小中学校に10セット配布し、学校でもアートカードを使った授業をかなりやっていただけるようになっている。特に、小学6年生は美術館に来る前の事前授業で87%のクラスでやってくれている。他の美術館では、ボランティアの方が学校に来てサポートしてくれるというのを聞いたことがあるのですが、今後、学校で先生が授業するときのサポートをしてくれるボランティアの方が来ていただけると、かなり人数的な裾野が広がると思うのですが、そういうボランティアの活用というのは考えていられるでしょうか。


[事務局・中村]:現在の小学校鑑賞会ボランティアの人数でいいますと、現実的には厳しいかなという印象があります。現在、横須賀市内には46校の小学校がございますが、各クラスで同じ時間帯に出前授業をするとなりますと、多いところでは5名という人数が必要となってきますので、現時点では厳しいかなという印象です。


[黒岩委員]:全校というか、希望したところに行けるような、ボランティアさんの新たな育成、アートカードの授業に対するサポートができるような体制づくりは、今後できますでしょうか。 


[中村委員]:個人的には理想的な体制だとは思いますが、ボランティアさんが人手となるわけではありませんし、あくまでも自主的な活動ですので、ボランティアさんの中から学校へ行ってみたいとか、そういう要望が出てくるのであれば、美術館側がすくい取ることもあるのかなと思います。


[事務局・佐々木]:一つ確認したいのですが、仮に美術館が出前授業をするとなったら、学校側は特に問題はないのでしょうか。


[黒岩委員]:大丈夫ですね。基本的には先生が授業をやって、ボランティアさんにはそのサポートとしてグループを見てもらうという形としてならば問題ないですね。


[小林委員長]:学校の生徒がどこかへ出かけるというのは、やはりお金がかかることでしょうから、教育委員会が学校をフォローしてこんなことをやっているということは、横須賀市の教育の特徴の一つなのではないかと思いますが、対外的にこういうことに力を入れてやっていることというのは他にもあるのでしょうか。


[事務局・中村]:特にこれまで鑑賞会について対外的に発表する機会はありませんでしたが、数多くの美術館がやっていることではありませんので、当館の教育普及活動を対外的にアピールしていく材料の一つではないかと思います。


[小林委員長]:学校教育の中で美術館をどのように位置付けていくかによって、一つ横須賀美術館の特徴を出していこうというのがあるわけですから、学校教育と美術館というのが他の市よりも力が入っている部分がどこかにあるのかということですね。なかなか難しいことですけれど。
それでは、③の議題に入りたいと思います。何かございますでしょうか。


[榊原委員]:「ウルトラマン創世紀」展というのがありますけれども、これは2年前くらいに茨城県近代美術館でやられたものでしょうか。


[事務局・沓沢]:茨城県近代美術館さんとは別の展覧会となります。ただ、「ウルトラマン創世紀」展については、2年ほど各地を巡回しております。新潟県の新津市美術館で立ちあがり、いろいろな場所で開催されております。


[榊原委員]:それで観覧者数とかが想定できるのですか。


[事務局・沓沢]:各地でかなりお客様が入っているそうで、横須賀美術館でも集客の問題と、扱う作品の幅を広げるという課題が示されていまして、その回答案として進めているというところがございます。


[黒岩委員]:要望なのですが、よろしいでしょうか。今年度アートカードが全小中学校に配布されて、学校でアートカードの授業を受けた子どもたちが、家に帰ってから「今日、横須賀美術館のカードを遊んだよ。」という話をして、後日、親が美術館に連れて行ったという話を聞きます。ただ、アートカードにある作品64点は常時展示しているわけではなくて、所蔵品展に展示されているのはせいぜい5~6点なのですが、例えばある時期に、例えば児童生徒造形作品展を開催している時期とかに、教育普及事業とのタイアップというかたちで、所蔵品展のなかにその64点をまとめて展示してもらうことは可能でしょうか。「あの64枚のカードの元になったのは、こんな作品だったんだ。」というふうに、学校との関連で子どもたちも喜ぶと思うのですが。来年度以降で、教育普及活動との関連でそういった展示をしてもらうのは、無理なことでしょうか。


[事務局・沓沢]:ご希望としてはよくわかるのですが、アートカードの64点のセレクションというのは、非常にバラエティがあります。彫刻作品もあれば、日本画もあるし、版画もある。例えばそれを一堂に会しても、展覧会にならない、それぞれの展示の制限期間も変わってきますので。あくまでもアートカードというのは、机上で空想の美術館を楽しむもので、実際には美術館の展覧会はそれぞれの空間で固まってくるものなので、もちろんその中でアートカードにある作品を取り上げるようには努力しておりますが、なかなか全てを展示するのは難しいものがあります。


[黒岩委員]:わかりました。


[菊池委員]:10ページ、達成目標の「企画展の満足度」に括弧で補正値、80%以上と書いてあるのですが、こういう表記は必要ですか。


[事務局・沓沢]:補正値については、この委員会でも何度かご説明させていただいておりますが、来館者のアンケート調査の満足度が元になっておりまして、それを単純に年間集めたものから、企画展の満足度というものを算出するということもできるのですが、企画展ごとで観覧者数というのは結構大きく異なりますし、特に児童生徒造形作品展は変わった展覧会で、とても満足度が高いです。けれども、アンケートの数は少ない。こういったところを、実際の観覧者の数に引き合わせて、それぞれの企画展の観覧者数に掛け算をして、それを足していったものを補正値としています。


[菊池委員]:だとしたら、補正値という書き方ではなくて、計算式を書いておいた方がいいですよ。80%の根拠はこうだよと。その方がわかりやすいと思います。


[事務局・沓沢]:わかりました。


[菊池委員]:それから、実施目標というのは、どういう工夫をするかということだと思うんですね。どうやって達成目標に近づけるかという。
10ページに「所蔵品展・谷内六郎館をそれぞれ年4回開催する。」と書いてありますが、いわゆる4回という回数の問題ではなくて、質の問題をどういう風に工夫するのかというのが問題なのだと思います。
この前も申しましたが、若い人たちに「谷内六郎」というネームバリューで推していってもなかなか理解が進まないのであれば、ああいう、いわゆる癒されるような印象を持った絵を、なにか表現を変えたりテーマを変えて展示することによって、展示の名称を変えて、それは谷内六郎という人が描いたものなんだよ、というふうに紹介していくというような。来年度はそういう工夫をして、この達成目標に近付けていくというような、そういう明確なことが実施目標にあった方がいいと思います。今のままだと、回数が一つの実施目標になってしまうので。


[事務局・沓沢]:ご指摘ありがとうございます。菊池委員がおっしゃるように、実施目標としてこのままですと非常に素っ気ないですね。実際には各担当の学芸員が所蔵品展、谷内六郎館に関しては、いろいろな工夫をしながら目先が変わるような努力をしているところでございます。ただ、ここはこういう個別のことを記すところではないので、総括してこういう姿勢でもって臨んでいくということで、実施目標として表記していきたいと思います。


[柏木委員]:来年度の予算について、【④ 学校と連携し、子どもたちへの美術館教育を推進する。】の「子どもたちへの美術館教育」の部分で、前年度比を見ますとマイナスになっていると思うのですが、前年度と事業ベースで何か変わっているということでしょうか。


[事務局・栗野]:すみません。④のうち、「子どもたちへの美術館教育」というところがマイナス239,000円になっているのですが、これは、「未就学児ワークショップの実施」を【⑦ すべての人にとって利用しやすい環境を整える。】に振り替えただけで、事業として何かがマイナスになったわけではございません。説明が足りず申し訳ございません。


[柏木委員]:分かりました。図書の購入費というのは維持されているのでしょうか。


[事務局・佐々木]:変わりありません。年間90万円です。


[小林委員長]:他になにかありますか。なにもなければ先に進みたいと思います。
それでは、【④ 学校と連携し、子どもたちへの美術館教育を推進する。】について、ご質問がありましたら、よろしくお願いします。

[菊地委員]: 12ページの3番、「出前授業の実施」というところで、「学校教育と連携して、美術館職員が学校に出向き、授業の中で美術館を活用した美術教育を実践する」という表現があります。言わんとしているところはよくわかるのですが、出前授業ですので、美術館を活用した美術教育というのは、表現的にどうかという部分があって。
先ほどの説明を聞いていても、ツールとしてアートカードのウエイトが大きいのではないかと思います。私自身も以前から、アートカードは非常に有効なツールだと思っていて、どんどん表に出したほうが良いのではないかと思っていますので。下のほうの6番、「教員のための研修」にアートカード出ていますけど、ここは「アートカード等」とするのか、「アートカード」とするのかはわからないですけれど、やはり強烈に打ち出していいのではないかと思います。
新聞報道などもされていますし、効果は高いということが、先ほどの黒岩先生のご意見でもあったように、実質的に子どもたちに美術を理解させるツールとしては精度の高いものだと思いますので、「美術館を活用した」というよりも「アートカードを活用した」とかそういう表現の方がいいかなと思いました。


[庄司委員]:アートカードというのは横須賀市のみですか。


[事務局・中村]:まずアートカードについて説明させていただきます。
全国的に美術館で、自分たちの所蔵している作品をモチーフとしたカードを、各小学校や中学校に配っておりまして、その数はかなりの種類、かなりの館で作っているのではないかと思います。


[庄司委員]:横須賀市のみで64枚のアートカードを作って、他市には出していないということですね。


[事務局・中村]:横須賀市の小学校、中学校が対象となっていまして、他の地域には配っていません。


[事務局・沓沢]:ご来館いただける予定のある市外の学校などからお問い合わせがあった場合や、事前にお話しをする機会があれば、貸出をできる規定を作っておりまして。


[事務局・中村]:実際に貸出を行っています。
それから、菊地委員からご質問のあった出前授業につきまして、これまでアートカードが無い状態で出前授業を行なっているケースもありまして、その際、作家と出向いて行って一緒に作品を作り、その作品を美術館に展示をしたりですとか、作家の作品の理解を深めるために作家が学校に出向いて話をしたりということがありましたので、今回たしかにアートカードが完成しましたので、この中に「アートカード等を用いた出前授業」という一文はやはり必要かなという気がいたしますので、加えさせていただきたいと思います。


[榊原委員]:アートカードのことですけれども、学校によって、先生によって知らなかったという方がまだいらっしゃるようです。鑑賞会の際に初めて知るということがありましたので、もう少し浸透できるといいなと思います。


[事務局・中村]:はい。がんばります。


[菊地委員]:13ページに移るのですが、「子ども向けワークショップの参加を有料化」とありますが、例えば有料化することによるインセンティブですとか、何か今までとは違う、無料でやっていたときとは違う部分があればお聞きしたいのですが。


[事務局・中村]:歳入を増やすということが目的の一つではあるのですが、現在は大人向けワークショップで実際に料金を徴収しておりまして、大体一人あたり1,000円を頂いておりますが、頂いていることに対して参加者等からご批判はいただいておりません。子ども向けワークショップにつきましては、大人向け事業の約3分の1の300円を基準として徴収する予定でいます。


[菊地委員]:内容は変わらず、単に有料化するということですか。


[事務局・中村]:これまで、講師料や材料費は全て美術館が負担をしておりましたので、その一部について参加者にご負担いただくということです。


[菊地委員]:子ども向けワークショップは子どもだけが来るのですか。


[事務局・中村]:いろいろございまして、子どもだけを対象としたものもあれば、親子を対象としたものもあります。


[菊地委員]:何を心配しているかというと、やはり無料だったものを有料化するというのは、けっこう印象的にハードルが高い。負担感が。そういったときに、それをどういう形で和らげるかという演出は絶対的に必要で、特に子どもさんについて上げるということは、親にとってみればすごく負担感というよりも、また違った印象を与えてしまいます。ですので、非常に慎重に考えられた方がいいと思います。
例えば300円上げて、どれだけの収入増になるかわからないですが、その効果よりも先ほど言った負担感が大きくなってしまうと、全体の来館者数に必ず影響を及ぼします。やはり、ゼロだったものを有料化するのであれば、説明だけではなくて、なにかプラスの要素を組み込まないと、300円分のという意味ではなくて、なにか付け加えないと、素直にこの300円の負担増を受け入れてはくれないのではないかと思います。
なにか工夫をしながら、これは細かな話ですけど、300円取るのであれば300円丸々ではなくて100円分くらい原価をかけて帰りにプレゼントするものが付くとか、そういうことがないと、やはり印象としてマイナス面のほうが大きく受け取られる。マイナス面のマインドというのは高くなりますから、そこがどうなのかなと思いました。


[事務局・沓沢]:ワークショップというのは非常に少人数、20人くらいを対象に、時間をかけて準備するものです。それから、多くの場合は材料費といいますか作品のもととなる材料はこちら側から提供します。そういう、支給されるものもある事業が今まで無料だったわけです。それに対して、受益者負担という観点からいくばくかの参加費を頂こうという発想です。
昨年まで、試行するといっていたときには、教育普及事業ですので、お子さんの体験機会を損なわないという意味から、お子さんに関係する事業については無料にしようと言っていたのですけれども、意外と大丈夫なのではないかということになりまして。


[菊地委員]:そこは慎重になった方がいいと思います。


[事務局・沓沢]:それと、無料にしておくと、急にキャンセルするなど、参加することに責任を持たない方も実際におられまして、有料化することによってお互いの緊張関係も生まれ、よりしっかりとした事業になるのではないかと思います。
実際、ずっと参加する方もたしかにおりますが、多くの方は入れ替わっていきますので、個々の方々にとっての値上げ感というのはあまりないのではないかと思っております。


[菊地委員]:そうですか。マインドは表に出ないのでね。蓄積すると大変ですよ。全体の苦情になりますよ。美術館厳しいんじゃないかとか、極端な話、そういう方向になったりしますし。
ですから、たとえば材料費なら材料費という形で、きちんと実費だということをうたうとか、何に使われるということを明確にした方がいいと思います。


[安藤委員]:先ほど説明の中で収入増というお話しがありましたけれども、あくまでも実費を負担していただくというところでは、収入増というよりも支出を減らすということだと理解できます。ただ、そのあたりは利用されたお客様には、やはりきちんと説明をしなくてはいけないと思いますし、そうではなくて何か取るのであれば、それなりのきちんとした説明をできるような形を整えた上で取らなければいけない。そこは検討材料ではないでしょうか。


[庄司委員]:お子様を対象とするときに、怪我とかそういうことも想定され、保険等もかけていると思われますが、有料化にはそういった費用も含まれているのですか。


[事務局・中村]:ワークショップの参加者が、美術館の敷地内で怪我をされた場合には保険料が支払われるようになっています。これまで、ワークショップ参加者の方から、保険料として費用を徴収したことはございません。ただし、敷地外での活動では徴収してレクリエーション保険というものに入ります。


[柏木委員]:菊地委員のご指摘について、私も相当実感を持っているのですが、収支改善という意味ではたいしたことはないと思います。
以前、横浜美術館で、日曜日に「親子のフリーゾーン」というのを行なっていましたが、それは事前申込ではなく当日受付です。非常に参加者が増えて、800人とか900人とか、設備のなかで危険が伴うようなところが出てきて、それで親御さんだけ実費という形でお金を頂きますということにしたのですけれど、そうすると、サービスという観点からは低下に映るので、広報、事前周知に相当時間をかけました。
横須賀ではそこまで参加者は居ないと思うのですが、継続して参加している方にとっては、サービス低下と映って、長期的に見ると美術館にとって果たして良かったのかということになりかねませんので、周知には戦略を練って周到に取り組まれたほうがいいと思います。


[菊地委員]:ですので、ここの書きぶりもやはりきちんと書いたほうがいいですね。
要するに、「収支改善の取り組みのために子どもワークショップを有料化する」では、あまり印象は良くないですね。


[安藤委員]:やはり何か付加価値をつけるとか、お金を取られても仕方がないなという納得感というか。
いろいろと出し手のほうが理屈を言って、値上げをするのも仕方がない、というのはあるのですけれども、出し手側はそうでも受け手側はなかなか理解できない。単純に「サービスの低下」ということになってしまう。理屈ではなくて。それを少しでも和らげるためには、なにか付加価値をつけるとかそういうものがないと。


[佐々木課長]:各委員からのご指摘は理解しました。
予算上こういう形で計上していまして、今後実際にどう運用していくかということもありますが、まず、その取る理由の説明をきちんとしなければいけないと思いますし、また仮に、実施するときには、それがどう影響するかという検証もしっかり行なっていきたいと思います。


[小林委員長]:今、いろいろと指摘がありましたので、もう一回考え直し、捉えていただいたほうがいいと思います。一つ検討してみてください。
④の議題について、ほかにございますでしょうか。
それでは、【⑤ 所蔵作品を充実させ、適切に管理する。】につきまして、どうぞご遠慮なく。


[柏木委員]:どこの美術館も、収蔵庫の作品を占有している状況が、年々満杯になっていくという状況があるのですが、横須賀美術館はいまどんな状況でしょうか。


[事務局・沓沢]:当館では、額装の作品については絵画ラックに掛けて収納する方式ですけれども、1、2年ほど前から、所蔵品展の展示替えの際に、1回全部戻してから出すということができない状況になっています。出している作品の戻るところがないという状態です。


[柏木委員]:つまり、コレクション展に出しているから、なんとか納まっているという状況ですね。いま、購入基金が充当されないという状況であるわけですが、寄贈は毎年結構な量があるのですか。


[事務局・沓沢]:例年数十件。今年度は、つい先日、美術品評価委員会が開催されまして、75点の作品が寄贈されています。


[柏木委員]:収蔵庫の問題というのはどこの館もいずれは必ず課題になってきますので、それをどの時点でどういうふうに市と協議して問題を解決していくかというのは、課題として常に横須賀市の所管部局と調整された方がよろしいと思います。


[事務局・沓沢]:ありがとうございます。


[小林委員長]:いつも購入予算が無いという話になるのですが、横須賀美術館としてこういうものを収集したいという、「横須賀、三浦半島にゆかりのある作品」とか、そういう収集目的に合致した寄贈なりがあり、収集されているのでしょうか。


[事務局・沓沢]:横須賀、三浦半島にゆかりの方からのご寄贈というのは、他の場合に比べて多いですし、私どももそういうケースを優先に考えております。


[小林委員長]:それから、「日本の近現代を概観できる作品」というのも課題としてはよくわかるのですが、そこでの近現代をどう考えるかによっては、その概念化をはかるフィロソフィーが必要になるような気がしますが。


[事務局・沓沢]:要するに、「横須賀・三浦半島にゆかりのある作家・作品」、「海を描いた作品」というのは非常に限定的な条件ですけれども、それ以外に凄く良い作品が頂けそうならば頂きたいという考えで、ただ受け入れる際にはある程度レベルが高くないといけない、という規程だと理解しております。


[小林委員長]:掲げられている目標がかなり充足できて収集できれば、三浦半島における一つの美術館の特徴が出てくると思います。そういう意味では、大切な収集方針だろうと思います。


[菊地委員]:ここの部分は柏木委員にお任せして、いつも「F」しか付けていないので申し訳ないのですけれども。
その理由として、達成目標が「環境調査の実施」が年2回、「美術品評価委員会の開催」が年1回となっていますけれど、これ自体が妥当なのかどうかが、私自身まったく判断ができないという前提があります。
ですから、達成目標として、また別の何かわかりやすいものがあると、「F」ではなくて、きちんと基準的なものと照らし合わせて評価ができるのではないかと思いますけれど、では何を基準にすればいいのかは正直わかりません。


[事務局・沓沢]:達成目標については、この委員会の場でも何度か議論になっているところです。当館の状況として、購入費が充当されていないという収集自体が非常に受身の状況ですので、今年は何件の寄贈を受けるということは目標として立てられない。それに代わる数値目標として、そういうものを実施する回数でもいいのではないかと、この委員会からもご提案をいただいた経緯がございました。
たしかに、⑤のところは、菊地委員も実感されておられますように、外からは非常に見えにくい、わかりにくい項目です。また、外部からわかりにくいからこそ、継続できなくなる可能性もございますので、こういう裏側の外から見えない仕事もやっているということをアピールする意味で、あえて入れさせていただいているというところもございます。


[柏木委員]:横須賀市の場合は、美術品の評価委員会というのは、美術館で招集されているのですか、それとも横須賀市が招集しているのですか。美術館で組織して、委嘱しているのですか。


[事務局・佐々木]:条例化している組織になりますけれども、招集自体は美術館で行なっております。


[柏木委員]:「評価委員会の開催1回」という言い方もあるのでしょうけれど、外部の専門家に諮問をするわけですよね。ですので、「収集候補作品の評価委員会への提案を1回行う」とか、「所蔵品を充実させる目的のために、そういう外部の評価委員会へ提案する」とか、「年1回は必ず提案する」とか、そういう言い方でもいいのかもしれません。


[事務局・沓沢]:そういう対象が0件でしたら招集できませんので、何らかの収集行為があるということが評価委員会の開催に繋がるわけです。


[柏木委員]:そういう収集候補の作品を、寄贈も含めて、提案できるという状態に持っていくためには、日々の調査であったり、地元の作家との関係を築いたりということが必要になってくるわけですので、そこが、ある意味この項目における重要な見えない部分で、その部分をもう少し可視化できるような表現にしておけばよろしいのではないでしょうか。


[小林委員長]:重要な指摘が幾つかなされていますので、美術館側も十分に踏まえて考えていただければと思います。
では、【⑥ 利用者にとって心地よい空間、サービスを提供する。】というアメニティを含む部分について、何かございましたらどうぞ。


[柏木委員]:質問ですが、委託業者への業務仕様書の中に、スタッフ対応の満足度に関する数値は入っているのでしょうか。


[事務局・上野]:仕様書はあくまで事務的なもので、目標値等は入っておりません。


[柏木委員]:委託業者が雇用している人たちが館内スタッフとして仕事をしていると思いますが、その受託されている業者と、満足度に関する意識が共有されていないといけないと思います。
それを文書化するのが恐らく業務仕様書になると思いますが、そこにそういう数値目標を設定し、それに向けて委託者側と受託者側で協働する、協議するという言及があった方が良いと思います。
今年度は達成されそうだということですが、これまでずっと未達だったということであれば、もう一つ踏み込んだ対策、対応を取られた方がよろしいのではないかという気がします。


[事務局・上野]:業務の中でのメールのやりとりですとか、来訪していただいて打ち合わせ等をする機会はありますので、そういった折に情報交換をする必要はあるのかなという気がいたします。
ただ、仕様書というと、基本的には市の契約課で作られている標準仕様書がございまして、そこで契約期間とか、支払い方法ですとか、そういった仕様書になっておりますので、そこに満足度何パーセントを目指しますとか、そういった表現を入れるのは少し違う気がしております。
また、満足度の取り方の問題もあるのですが、実際、展覧会ごとにアンケートの回収率も違いますし、どういった年代の方からのご意見であるとか、そこまでの細かいアンケート統計にはなっておりませんので、その数字を仕様書に使うということには少し抵抗があります。


[柏木委員]:市の契約とか、事務的な部分で、それがなかなか難しいということですか。


[事務局・上野]:何を入れてはいけないという決まりはないとは思うのですが。
逆に最低限こういう項目は入れなさいということはございますが。


[柏木委員]:委託契約書の中にもそういう文言は込められないということですか。
横浜美術館の場合は入れているのですが、例えば満足度4以上というようなことを入れて、それが未達の場合は改善案を提示してもらうとか、そういうことを込めていますので、そういうことが横須賀市でも可能なのであれば、ずっと未達が続いているのであれば、そこまで踏み込むというのも手ではないかと思いましたので。それが経理規程上難しいというのであれば、それは仕方ないと思いますけれど。


[安藤委員]:基準が曖昧な話なので。美術館の肩をもつわけではないのですけれど。
私も民間企業で業務を委託したりしていますけれども。基準としては曖昧といいますか、たまたまその時の母集団によって満足度が違うということもありますし、一概に基準としては明確ではないというか、その時その時の対象者によって変わったりということで、それを契約に入れるというのはなかなか、逆にお聞きしたいというか、業務委託契約書の中に満足度を入れるというのは難しいのかなと、私の立場からは思います。
逆に、満足度を達成するためにどういう具体的な業務をやっていくかというのが、業務仕様書であったり、委託者と受託業者の打ち合わせの中で、じゃあその満足度を達成するためにこういうことをやりましょうとか、具体的にこういう業務仕様書を作りましょうとか、多分そういうことなのかなと思うのですが。


[柏木委員]:横浜美術館で実際にやっているのは、委託契約書ではなくて業務仕様書だったと思います。
やはりスタッフ対応満足度は、厳しい意見がいろいろな方から出てきますので、それを達成するためには、一歩踏み込んだ何かが必要なところがありまして、横浜美術館ではそういうことをやってみています。
未達の場合は、それに向けてどう取り組むのかということを、委託業者だけに投げるのではなく、双方でどう取り組んでいくのか。要するに、そういう目標を館として設定している以上は、現場で仕事をしている人たちがそこを共有できていないと、なかなか達成は難しいところがある。
まあ、設定されている数値に曖昧な部分があるといえばたしかにあるし、どのくらいの母数で取っているのかというのもありますけれども、こういう形で達成目標としてあげている以上は、それをどう現場の実務に当たっている方々と、実務レベルできちんと共有していけるかというところが大きな問題であろうと思います。
その手法として、いま私が申し上げたやり方がいいかどうかというのは、自治体によっていろいろあると思いますが、踏み込んだ何か工夫が必要ではないかと思いましたのでお聞きしたような次第です。


[事務局・佐々木]:今の件ですけれども、毎年、年度の評価をして、評価の結果、評価報告書という形になっています。その数値をわかりやすく「A、B、C」等としていますけれども、その結果は必ず、美術館の職員のほかにも働いている受託事業者のスタッフにも伝えて、それを共有して改善につなげていこうという形でこれまでやってまいりました。
ただ本当の意味で、そこまで示したことで、研修をするとか、覆面調査みたいなこともやったり、具体的にやってはいますけれども、じゃあ本当にそこが共有できているのかという。こちら側が持っている危機感が、スタッフ一人一人に本当の意味で共有できているかというのは、それだけではなかなか難しいのかもしれません。
一方で縛るといいますか、もう少しそれを太くしていく手法として、もし契約書、仕様書等々でそういうことができるのであれば、それも手法の一つかと、いまお聞きしていて思いました。もし差し支えなければ、詳しい内容といいますか、具体的な部分を参考にさせて頂けると大変ありがたいと思います。よろしくお願いいたします。


[菊地委員]:「レストランと連携したコラボレーションメニューの提携の継続」ということで、これは単純にいいなと思っていまして、ただ、これがどういう打ち出し方をされていて、果たしてお互いに相乗効果があるのかどうか、そういった部分はどうなのですか。


[事務局・佐々木]:レストランとしましては、その季節ごと、展覧会によっての限定メニューということになると思います。その期間しか召し上がることのできないメニューを打ち出すということ、それから、メニューの変化が見えるという意味では、私はレストランにとって、それなりに有効な手立てとなっていると考えています。
美術館としましても、こういう施設ですので、美術館にこられる方にとって、他に飲食店も少ないという中で、食事というものも、ここを訪れるときの一つの目的になっているのではないかと思います。
頻繁に来られる方でないとあまりわからないのかもしれないですけれども、その食事と関連しているという部分も、広報の中で打ち出しているということでは、ここに来るときの楽しみが一つ増えるという部分では、少なからず効果があるのかなと考えております。


[菊地委員]:そうですね。おっしゃる通りだと思います。まあ、その効果がなければ、あまり意味が無いのかなと思っています。
レストランも美術館の一部だという考え方からすると、「食」というのは楽しみの中の大きな要素ですので、もしかしたら美術館よりもそのメニューを目的に来る人がいて、相乗効果として美術館を見るとか、美術館に来た人はそういうコラボメニューがあるのだったらということで楽しみが湧いて、プラスの相乗効果がある、ということで、こういうものがなければいけないのではないかと思います。
ただ、キャパシティもあるし、限定とか、やり方はいろいろあると思うのですが、打ち出し方の問題だと思います。例えば、こういうメニューがありながらも、企画展なら企画展だけの打ち出し方だと、このコラボメニューは来た人でないとわからない。


[事務局・中村]:展覧会のチラシにコラボレーションメニューを載せておりまして、今年度で言うと、夏休みの展覧会から載せておりまして、展覧会のイメージごとに、夏休みの子ども向けの展覧会であれば、ちょっと楽しめる口のなかでパチパチはじけるデザート。「おいしいアート」展であれば、展覧会に沿ったものを打ち出していて、展覧会担当としても、それを展覧会の一つの来館の材料として活用させていただいています。


[菊地委員]:そうですか。それでしたら良いと思います。
検証もした方がいいと思うのは、「食」って本当に大事で、先ほど言いましたように、お客さんがオーバーフローして待たせて逆効果になったらいけないのですけれども。それは限定とかいろいろなやり方がある。
それだけではなくて、いろいろな企画、コラボ企画がレストラン、ミュージアムショップとできれば、いろいろなことがアイデアとして生まれてくれば、お互いにとって非常に喜ばしい。レストランもお客さんが来なければ運営できないし、ミュージアムショップも売れなければ運営できない、だけど、美術館のポテンシャルと何かコラボすることによって、そちらにもお客さんが入るような仕掛けというのは、いろいろあってもいいのかなと思いますので、それは検証したほうがいいと思います。満足度も含めて。
ここに「モニタリングによるホスピタリティ調査の実施」というのもありますけど、そういったコラボメニューとか、特殊なものをやったときに、逆にこういうモニタリングで更にいろいろなアイデアをお客さんから引き出す、要素を聴取するとか、やり方はいろいろあると思います。お客さんも含めて、関係者全てに良いことかと思います。
そういうことを考えると、先ほどの柏木委員のお話ではないですけれども、やはりそれぞれが信頼関係を持って運営するというのが一番大事だと思います。聞きにくいとか聞きにくくないとかそういうことではなくて、信頼関係を持っていれば、お互いにどういうふうに良くして行こうという歩み寄りがなければ、やはりなかなか難しいかな。このアメニティを実現するにも。そのためには、お互いがいろいろなアイデアを出し合いながら、それにお客さんが反応してくれた喜びというものを共有するということによって、必然的に全体が一つになる。それがお客さんにも伝わるような、そういう館になるのが、ここの部分の一番の効果ではないかと思います。


[事務局・佐々木]:おっしゃる通りだと思います。このコラボメニューは、もう数年前から企画展ごとにやるようにしてきています。正直、レストランのシェフの方からすると、展覧会によってはコラボレーションメニューをつくるのに、かなり苦労されているところもあるように聞いております。私もその都度、利用させていただいておりますけれども、毎度満足するような気ではいるのですけれども、実際にお客様の満足度がどうだったのかということまで把握できるタイミングはありませんでした。
今後はやはり、作っているシェフの満足度やお客様の反応から、今後どういうふうに展開できるか、また、それ以上のコラボレーションの可能性についても、まだ検討する余地があると思いますので、引き続き研究していきたいと思います。


[菊地委員]:そうですね。シェフが苦しんでいるのであれば、やはりお客さんが喜んでいたという声をシェフに届けてあげれば、少しは安らぐでしょう。


[事務局・佐々木]:苦しんでいるというか、かなり悩むようですね。


[菊地委員]:その悩みが逆に楽しみに変わるような演出をしてあげるのが、裏方同士の信頼関係の作り方だと思いますので。つらいながらやっているというのは、どこかでしわ寄せが来ますから、つらくても楽しみという部分のモチベーションを与えられるような考えを、関係の中で共有していけばいいのではないかと思います。


[事務局・佐々木]:承知しました。


[柏木委員]:こちらの美術館の場合、レストランとショップは、恐らく目的外使用料が市の歳入になると思うのですが、それとは別に、レストランやショップの収益の何パーセントかが、美術館の収入になったりするのでしょうか。


[事務局・佐々木]:あくまでも目的外使用という形でやっていますので、営業自体はそのレストラン、ショップの収益になっています。
私どもが頂くものとして地代、使用料になるのですけれども、こちら毎年収支をきちんと報告してもらう形になっておりますが、それを確認する中では、両事業者とも当館での経営状況はここ数年赤字になっていますので、使用料は頂いていないという状況です。レストランに関しては、数年前に黒字になったことがありましたので、その場合には頂いた年がございました。また状況が厳しくなったようでして、現在は赤字になっているような状況です。


[柏木委員]:そうであれば、いま菊地委員がおっしゃったような、館としての取り組みとして、そこに収益が生まれてくるような工夫というのが経営的な面から見ると必要になってくるわけで、展覧会とコラボしたメニューでお客さんを惹きつけるというのもあるでしょうし、ショップについても横須賀美術館のショップならではの何か商品開発みたいなものがあって、美術館にとっても収益が上がるし、事業者側も収益が上がるという形に持って行かれるような努力が必要なのではないかと思います。


[事務局・佐々木]:おっしゃる通りで、共存共栄だと思っています。
美術館とレストラン、ミュージアムショップの関係性をきちんとしていくことで、レストランもショップもきちんと収益があがって、ちゃんと地代が頂けるような形になっていくということはやはり大事なことだと思います。3者それぞれ違う業種になりますので、お互いの意思が通じ合うような検討をしていくことが大事かと思います。


[榊原委員]:レストランですが、とても込んでいて入れない時が結構あります。そういう時に、レストラン特製のランチのお弁当みたいなものを売っていただくと、遠くから来られた方も買われるのではないかと思うのですけれど、そういうのは駄目なのでしょうか。


[事務局・佐々木]:レストランのことですので、私からあまり詳しくお答えすべきでもないのですが、たしかにそういうふうに考えたこともあり、一度意見交換したこともあります。
まず一つは、テイクアウトをするには、店舗営業するのとは違う免許が必要であるそうです。それから、そういう持ち帰りのものを用意する、ストックするためのスペースが無いというハード面の問題もあるようです。
私も、実現されれば喜ばしいこととは思いますが、現時点ではなかなか難しいように聞きました。


[小林委員長]:よろしいですか。それでは、【⑦ すべての人にとって利用しやすい環境を整える。】の項目に入りたいと思います。よろしくお願いします。


[菊地委員]:先ほど訂正がありました、ここの達成目標も「415」ではなく「400人以上」にしてもいいと思います。だからといって、20ページの表の数字を変える必要はないですよ。参加者数のべ400人以上なら「400人以上」で、「415」にわざわざしなくてもいいのではないですか。


[小林委員長]どうですか、そのこだわりは。


[事務局・沓沢]:お答えさせていただく前に申し訳ございませんが、資料のチェックが甘く、先ほど達成目標「340人」を「415人」に訂正申し上げましたが、改めて計算したところ「475人」となります。大変申し訳ございませんが、再度訂正をお願いいたします。
いま菊地委員から、毎年同じ数値でよいのではないかというお話しを頂きました。
福祉関連事業については、事業数が非常に限られており、事業内容によって見込み人数が変わってきます。例えば、不特定多数が対象のコンサートになったり、参加者限定的なパフォーマンスを行なうこともありますので、その年その年に予定しているものの積み上げでもって、参加者数については目標とさせていただければと思っております。


[菊地委員]:それはそれでいいと思う。やることによって違ってきても、年度で変わってもいいと思います。だからといって「475」にする必要も無い。
方針として、目標として据えたのであれば、最低でも、「これだけのことをやるんだったら、自分たちとしては何百人以上を目標としたい」と。かつ、積算するとそれ以上になるということであれば、それはそれでいい。そういうイメージ。この達成目標は。
毎年「475」にしたいというのであれば、いいと思いますけれど。


[事務局・沓沢]:大きい人数ができる時はいいのですが、企画内容を考える際の足かせになってもいけないので、低い積み上げのときは低くする、ということをお許しいただけるのであれば、同じ数値でもいいのかと。


[菊地委員]:同じというか、「400」とかね。皆さんが企画をやるけれども、絶対にこの通りにはいかないのだから。けれども最低限、そういうハンデをお持ちの方々を対象にした事業について、何百人以上はぜひ利用してもらいたいというのはあるはずです。それはそれとして達成目標に設定をする。かつ、事業ごとの積算については、こういう形で積算をしていくと最終的には「475」になると。
ですから達成目標とは別に、達成目標は「400人以上」だけど、「475」は絶対にやろうねという共有の目標として掲げることは全然問題ないと思いますので。
それは年度によって変わっても仕方がないですよ。


[事務局・沓沢]:各年度で、参加者数として設定したいミニマムな数字を検討していったらよろしいということですか。


[菊地委員]:その通り。だって年間の目標だから。
今年度はこういうことで、大体これだけの方々に楽しんでいただきたいというのがあって、それで積算をしていくわけですから。もちろん逆もある。積算をしていって、最終的にはこれだけの方々に楽しんでもらいたいという。だけれども、これはあくまでも共有目標値であって、実際には最低でも、さっき言ったミニマム。これ以上は、という部分が達成目標になるということで良いのではないかと思います。


[事務局・佐々木]:委員のおっしゃる通りだと思います。
私どもとしては、やる内容を想定した中での年度の差と申しますか、そう考えていましたので、目標を掲げてそこに到達するための努力をしようという考え方でした。
毎年これだけやっていくので、年間、必ずこれだけのお客様にはサービスを提供しようという方針が、ここの達成目標としてはふさわしいのではないかというお話しだと理解しました。
いま、最初は「340」という26年度の目標値があったのですけれども、27年度は積算すると「475」と大きくなってしまうところではあります。ただし、先ほどご説明させていただきました通り、こちらの6番「未就学児ワークショップの実施」については、今回の事業計画書からこの⑦に移ってまいりましたので、この部分の数値を昨年度の目標「340」に足していくと、「400」にはなりませんけれども「400」に近い数字にはなると思いますので、後ほど改めて計算をしますが、よろしければこの部分は「400人以上」という形にできるよう検討させていただきたいと思います。


[小林委員長]:そうしましたら、最後の項目、【⑧ 事業の質を担保しながら、経営的な視点をもって、効率的に運営管理する。】について、それから予算配分など、ご意見、ご質問がありましたらお願いします。
ございませんか。よろしいですね。


それでは、①から⑧まできましたが、何かご意見、ご質問で忘れていたということがありましたらどうぞ。


[菊地委員]:一点だけよろしいですか。
先ほど何度か、達成目標についてご意見を言わせていただいたのですが、実施目標もあくまでも年度目標ですので、その年度にどういう実施目標を立てるかと。
恐らく、「目標設定の理由」は変わっているのに、実施目標は毎年そんなに変わっていないのではないかと思います。
当然、前年度の検証をして、今年度の目標を立てているのだから。そうであるならば、この「目標設定の理由」のエキスが実施目標の表現になって行かないといけない。
我々、評価する側から言うと、できるだけつぶさに年度ごとの変化というか、進化の部分、皆さんの工夫を、この実施目標の一文、二文などにエキスとして入れていただくと、後で具体に実施した後の評価をする際に、こういう目標のエキスがこういう形で具体にあらわれているというのが評価しやすくなりますので、それに相応しくないところは見直す必要は無いと思うのですが、もちろんいろいろと工夫をされてることがあると思いますので、そのされているところは実施目標の表現の中に入れておいていただいた方が、絶対的に良い事業計画書になると思います。


[小林委員長]:たいへん大事なことだと思います。その年度において、実質的にどういうふうに達成され、変えることができたのかというのがより明確にわかりますし、客観的になりますので。


[事務局・佐々木]:確認ですけれど、今のお話しですと、実施目標を毎年度変えていくということですか。


[菊地委員]:そういうことです。実施目標のいわゆるテーマですよね、この部分は。


[事務局・佐々木]:実施目標のところは、こういう活動をしているという、ちょっとぼんやりしていますが、ここは例年変わらずに来たところです。それを事業計画、あるいは目標設定のところであらわしてきた、前年度の反省をあらわしてきたところです。


[菊地委員]:例えば4ページ、「広報・パブリシティ活動を通じて、市内外云々」とここには書いてあるけど、これは毎年そんなに変えていないですよね。


[事務局・佐々木]:ここの表記は変えていないです。


[菊地委員]:変えていないですよね。だけどこれが27年度のテーマなわけですよね。
これが毎年同じ表現だというのが、そもそもおかしいじゃないですか。その下にある「目標設定の理由」というのは、当然変わっているわけですよね。


[事務局・佐々木]:そうです。


[菊地委員]:その変わっている部分のエキスがこの表現に反映されないと、年度の実施目標の表現としては、少し足りないのではないかということです。具体的なことを増やせということではなくて。
この「目標設定の理由」の中には、去年と違って新たにとか、27年度にどういうふうにやって行こうかという工夫が入っているわけですよね。そういうエキスが、この中に入ってもいいのではないかと思います。


[事務局・佐々木]:わかりました。検討させてください。
先ほどの達成目標の数値の部分は、ある程度恒常的に毎年変わるものではないと。この達成目標と実施目標は、その先の使命・目標に繋がっていて、これこそ数年は変えないものと思っていましたので。


[菊地委員]:いや、そこは違うと思います。達成目標というのはある程度定量的なもので、定性的な部分が実施目標。定性的なテーマが一緒というのはあまりよろしくないですよね。年度の計画、中身の問題ですから。


[事務局・佐々木]:目標自体は変わらずに、事業計画のほうが、毎年度、そこに向ってやることをどんどん変えていく、計画として違うものを書いていくと私は思っていましたので。


[菊地委員]:事業計画というと。


[事務局・佐々木]:例えばその2ページのところです。ここは展覧会の中身から違うところではありますけれども。
こういう活動をしていくというのは、たとえば項目は同じであっても、やる内容は毎年変えているわけです。でも一番大きいところのミッションというのは変わっていない、1ページのところへ書いてある。ここに繋がるために、具体的な項目ごとに、達成目標と実施目標と設けていたものですから。


[菊地委員]:ここの事業計画というのは個々のメニューですよね。それはなんのために、どういう目的でというのがありますよね。27年度のまず目標だとか、そういうことによってなにをやろうか、その工夫をするためにこれがあるわけで、その工夫したエキスをこの実施目標に表現するのが、その年度の目標をより定性的にわからせる表現なのではないかなということです。
だって、我々はこの達成目標と実施目標で評価しなければいけないのですから。この表現というのはそこまでいきていくものですよ。
ここでいう事業計画というのはメニューだから、それがきちんと実行されたと、結果としてこの実施目標のお題目に基づいてきちんとやれているということを判断するわけです。
毎年変わらないというのは、事業計画のエキスとしては、定性的なエキスとしてはよろしくないと思います。


[事務局・佐々木]:むしろ目標に向かって何をやるか、やることをいろいろ変えてきたと思っていましたので。


[菊地委員]:ですから、それを変える理由があるわけですよね。


[事務局・佐々木]:それは当然、前年度こういう検証があって、これは効果がある、効果がないものは切り捨てる。あるいは改善する、効果のあるものはより効果を出す、と考えて、やっていくメニューは事業計画だと。事業計画はどこに基づいているかというと、そもそも目標に基づいてくるかと思う。目標が変わっていくと、事業計画も変わってしまうので、やることから目標を変えるというスタンスが、ちょっと私には理解できなかったものですから。


[菊地委員]:ただ要するに、実施目標と達成目標はリンクしていなければいけないわけですよね。
そういった意味では、定量評価と、定性評価というものがある。やはりそのためには毎年ちがったエキスがあってしかるべきではないですか。
当然みなさんもいろいろな工夫をされるわけですよ。だからここは別に変えてもいいのではないか。だって、我々ここで評価をしなければならないのだから。毎年変わらないというのは、変化がわからないわけですよ。決して難しいことを言っているわけではなくて、この「目標設定の理由」の中には、その工夫は絶対に入っているはずですよ。「目標設定の理由」なわけだから。これを凝縮した一文が、実施目標の文章になっていなければいけない。
「目標設定の理由」は毎年変わっているのに、この凝縮された表現が変わっていないというのは、やはり矛盾しますよね。


[事務局・佐々木]:わかりました。


[菊地委員]:それを言っているだけで、決して難しいことを言っているわけではない。それが、年度の性格に現れてきているのではということ。その性格が具体の事業計画に落とし込まれているはずというロジックで話をしている。


[小林委員長]:委員の方々からたいへん貴重なご意見を頂きました。それをある意味での自己点検の充足事項にしていただいて、案を修正するところは修正して作り直していただくと、より良い自己点検表になると思います。また、そのことによってより良い活動が展開されると思いますので、ただいま議論されましたところを踏まえて、ご検討いただければと思います。よろしくお願いします。


[事務局・佐々木]:これまでの、今もそうですが、本日はかなりたくさんの意見をいただきましたので、次回の会議までには検討させていただきまして、場合によっては済みませんが個々に質問させていただきながら、事業計画書を完成させていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。


[小林委員長]:予定より時間がかかってしまいましたので、これで議事については終了といたします。
それでは、次第の3、今後のスケジュールについて、ご説明をお願いします。


[事務局・上野]:      -(省 略)-


[小林委員長]:それでは、事務局にお返ししたいと思います。


[事務局・佐々木]:長時間にわたり、たくさんのご意見をいただきました。参考にさせていただきたいと思います。本日はありがとうございました。


【閉会】